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対米自立か従属か、それが真の焦点であり、政治選択である

 選挙の終わりごろ、朝日新聞に、文芸評論家の加藤典洋氏による「対米自立か従属か、真の焦点」と題するインタビュー記事が掲載され、それに私は注目した。

 その末尾はこういう言葉で締めくくられていた。

 「・・・今回の選挙で気づかなければならないのは、本当の選択肢が、保守かリベラルかではなく、対米従属による国益追求か、対米自立による国益追求かにあるという事です」と。

 まさしく私が選挙で訴えていたことだ。

 そして、選挙が終わったきのう10月24日の毎日新聞「記者の目」というコラムで、倉重篤郎氏が、なぜ政権交代の選択肢が持てないかの理由として次のように書いていた。

 「・・・日米安保至上主義の下、米国の外交・安保政策に服属する以外の選択肢がタブー視されているが、そろそろ見直すべき時期が来た、と思う。袋小路の沖縄基地問題、日米両国関係の非対等性、対中抑止力強化の持続不可能性がそれを物語っている」と。

 これもまた私が選挙で訴えていた事だ。

 まさしく、これからの政権選択は日米関係をどうとらえるかにある。

 加藤典洋氏は、次のように喝破して安倍政権を否定している。

「・・・戦後保守政治は、敗戦、占領を経て、独立をどうやって確保するかという問題と常に向き合ってきました。そして保守本流と言われる、吉田茂、池田隼人、佐藤栄作の時代の戦略は、不平等な地位協定を含む日米安保条約の制約のもと、できる限りの自立をめざしつつも、もっぱら経済的繁栄によって国民の自尊心を満足させる『親米・軽武装・経済ナショナリズム」路線』でした。その後も、米国の要求を最小限に受け入れる妥協をしながらも、したたかに独自の外交や政治決定権を回復して日本の国益を追求するという政治目標が、保守政権の中では共有されてきました・・・」

 こう述べたあと、次のように安倍政権を否定している。

 「・・・安倍政権はもはや保守ではありません。・・・米国の要求を最小限に受け入れる妥協をしながらも、したたかに独自の外交や政治決定権を回復して日本の国益を追求するという・・・対米自立に向けた努力がまったく見られません・・・」

 その通りである。

 そして、この事は、言い換えれば、よりリベラルな自民党総裁による自民党政権に戻るなら、多くの国民はそのような自民党を支持するということだ。

 私はそのような自民党政権を選ぶ国民を批判はしない。

 それはまさしく国民のひとつの選択であるからだ。

 しかし、私はそのような国民の選択の他に、対米自立を訴えるもう一つの選択肢がどうしても必要であると考える。

 それは、憲法9条を日米安保よりも優先する外交・安保政策を訴える選択肢である。

 なぜならば、日米安保を優先する限り、どのように、したたかに、独自外交の努力をしてみたところで、対米従属から抜け出せないからである。

 もうひとつの選択、すなわち 日本が軍事力を強化して対米従属から自主、自立しようとする選択はあり得ない。

 その行き着く先は核武装であり、そんなことは、アジアや世界が許さないからだ。

 何よりも米国が許さない。

 だから、日本国民の選択は二つしかない。

 日米同盟を優先して、対米従属を我慢して、あるいはできるだけ米国の要求をかわしながら、現実的に対応していくか、それとも憲法9条を掲げて、日本を世界の多くの国々から尊敬される国として戦後を再出発するか、その二つしかない。

 後者を公約にする政党が、自民党政権に代わる選択肢としてこの国の政治にどうしても必要になって来る。

 それがまさしく新党憲法9条なのだ。

 必ずその必要性が指摘される時が来る。

 それを主張する有力者が出て来なくてはいけない。

 繰り返して言う。

 これから政治選択は、安倍なきあとのリベラルな自民党政権か、それとも、憲法9条を世界に掲げて自主、自立した日本を公約に掲げる新党憲法9条の下で戦後の日本を再出発する政権か、その選択とならなければいけないのである(了)

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