- 2011年11月25日 11:20
再生可能エネルギー価格算定委員の人選について
環境エネルギー政策研究所のプレスリリースによると、再生可能エネルギー法による電力の買い取り価格を決める「調達価格等算定委員会」の委員として提案されている5名のうちの3名が、自然エネルギーに対して消極的な立場をとってきた人たちで占められているということです。
買い取り価格は、当初案では経産相が決めるとしていたが、有識者で構成する調達価格等算定委員会の意見を基に、経産相が電源の種類や規模ごとに決めることに修正された経緯があります。委員の選出には、衆参両院の同意を求めることなどで価格決定の透明性を担保する建前ですが、この「有識者で構成される委員会の意見を聞く」という方式が、官僚主導の隠れ蓑として猛威をふるってきた「審議会方式」の踏襲になる可能性は高いと思います。
長妻昭氏の著書その他の告発本には繰り返して出てきますが、「審議会の意見を聞いて決めた」という説明は、官僚主導の無責任体制において最大の武器になるものです。あらかじめ「好ましい方向」の意見を言いそうな人たちを多数にする人選から始まって、審議会当日には読みきれないほどの資料を配って説明に大半の時間を使うのが常套手段です。障害になりそうな委員については、密かに日程を調べて出席できない日を選んで会議を開くといった、あくどい手段をとる場合もあるとのこと。
大半の委員は、丁重な待遇と謝金を受け取って、当り障りのない意見を言って役目を終ることになります。委員会の結論を受けて採用された政策が、その後どのように運営されてどんな成果をあげたか、あるいは悪い結果を招いたかについては、参加した委員が責任を問われることは決してありません。この官僚主導を、政治家が責任を持つ政治主導に改めるとした民主党でしたが、官僚とも野党とも妥協しなければ何も決められなくなってしまいました。
今回の再生可能エネルギー価格算定委員の個々について、私には判断できる知識はありませんが、自然エネルギーの普及拡大に取り組んでいる団体の意見には、聞くべきものがあると思います。再生可能エネルギー法自体が、脱原発依存の柱として策定された国策実現のための法律なのですから、自然エネルギー発電の経験とビジョンを持つ人たちの意見が少数では趣旨に反するでしょう。
経産省は昔の大本営になったと言われる昨今ですが、国の未来を一官庁に決められたのでは国民不在の復活になります。国会は人選の見直しをすべきだと思います。



