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男尊女卑的な文化が痴漢を生み出す? 「痴漢本」著者×と、被害告白女性との対談(中)

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男が痴漢になる理由(イースト・プレス)』の著者で、社会福祉士兼精神保健福祉士の斉藤章佳さんと、ウェブメディアで顔出しで痴漢被害告白をしたアーヤ藍さんとの対談。前回は、本を読んで満員電車に乗れなくるほど怖くなったと感じたアーヤさんでしたが....

痴漢掲示板で成功体験を綴る痴漢たち

アーヤ:本の中には、ネットの電子掲示板の話も書いてありました。成功体験を語り合ったり、情報交換をしたり....

斉藤:やっかいなのは、彼らの認知の歪みから見た現実を書くことです。サイトを見ているユーザーは、そういうこともあるんだと本気で信じてしまいます。

アーヤ:認知の歪みをさらに強化してしまう?

斉藤:はい。サイト内で強化しあう。そんなことはないはずと思われる内容でも、「痴漢されてこういう風に女性は思うのか」「こういうふうにすればうまくいくのか」と学習します。「こうすればうまくいくのか」と。

渋井:痴漢に関連した掲示板もいろいろあります。初心者が使う掲示板の場合、痴漢をしたい側とされたい側がおり、お互いが同意で痴漢が行われる場合があります。痴漢されたい側が痴漢する側に時間や場所、外見上の特徴を教えるのです。

アーヤ:そんなのあるんですか?

斉藤:以前、間違った人を触って、事件になったりしましたね。

渋井:さらに難易度が高い掲示板になると、少ないヒントで探すことになります。成功体験の話をするだけではなく、待ち合わせの掲示板もあるんですよね。大騒ぎにはなりませんが。

痴漢掲示板についても話すアーヤさん(撮影:渋井哲也)

ビギナーズラックを経験する人たちもいる

斉藤:今の話で思い出したのですが、本の中で書かなかった話があります。

痴漢を始めるきっかけで一番多いのは、たまたま触れてしまってその感覚が忘れられず、徐々にエスカレートするパターンです。その他には、他人がしているのを目撃して、「俺もやってみよう」というのもあります。

ある人は、「俺はもともと痴漢を捕まえる側だった。しかし、ある日、痴漢をしている様子の一部始終を見てみよう思い、観察した。すると、女性は一向に嫌がってないじゃないか。そのまま、何もなかったかのような顔をして電車を降りた。俺もやってもいいのかな?」と語っていました。

また、当院に来ている中では少数派ですが、痴漢サイトを模倣する人もいます。

もう一つ時々聞くエピソードがあります。痴漢を始めた最初の頃に、自分が下車した駅に被害女性が一緒に降りるのです。そのまま不思議な雰囲気になり、ホテルに行ってセックスをする。これが成功体験となり、「もしかしたら、何人かに一人は同じような体験ができるんじゃないか」というビギナーズラックのような経験をしている人がいます。

渋井:何かしらのコミュニケーションは取ってないのですか?

斉藤:不思議な雰囲気としか言いようがないと話していました。無言という人も多いです。もしかしたら、彼らは痴漢サイトで同じようなストーリーがあり、現実と幻想の区別がついていないのかもしれません。しかし、こういう話をする人は意外と多いです。

アーヤ:痴漢サイトの話を聞いていると、男性は「支配したい側」の論理、女性は「支配されたい側」の論理で動いていると考えている人がいるかもしれないのですね。それがカチッとはまったときに、不思議な雰囲気になることがあるのかもしれない....。

斉藤:これが一人だけのエピソードなら嘘だろうと思うのですが、複数人いましたね。ただ、女性の側からヒアリングできないので、本には書きませんでした。

アーヤ:(そうした不思議な雰囲気になり、性交渉まで行くというケースは)女性の側にも起きうるのでしょうか。

斉藤:当クリニックには、薬物依存症、性被害の人も来院します。薬物依存症の人の中には、セックス依存症の人もいます。薬物が切れたときと同じように、セックスなしではいられない人がいます。不特定多数の人と性交渉をすることが“自己治療”になっているパターンです。

仮に満員電車内で、そういう女性がいたら可能性としてはありえなくはないです。そうした体験をした人が一定数いて、彼らの中に強烈な原体験として残る。ギャンブルと同様、勝った時の記憶しか残らないのと非常に似ているのではないでしょうか。

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