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ソーシャルテクノロジーの未来はオンラインゲームが握る

世界的にインターネットがソーシャル化しつつある現在ですが、ソーシャルの中でもソーシャルゲームは日本が世界に誇る先行分野でもあります。今回はThe Next webからオンラインゲームが今後のソーシャル技術を率いていくのではという興味深いお話を。 ― SEO Japan

ここ数週間、テック産業に所属する人達は、グーグル+のフィールドテストをきっかけとして、ソーシャルネットワークの進化に注目していた。グーグルがフェイスブックをソーシャルネットワークの分野で打ち負かすには何をしなければいけないのか、つまりソーシャルテクノロジーマーケットでの次の展開について考えを巡らせてきたのだ。

しかし、近い将来よりも遠い将来を予測するには、ソーシャルテクノロジーの最終的なゴールが何かを特定する必要がある。そして、それは至難の業である。

ソーシャルネットワークでの共有と従来の送信の違いは僅かである- ソーシャル共有は進化であり、認識が少し異なる。それ自体が革命的とも言える。この点を検討すると、eメールで友達に送信し、その件について話し合う行為は、フェイスブックで共有する行為と大差はない。

人々が会話に同時期に集められるようになる点、また、共有が行われる仕組み自体も異なる。しかし、実際には情報をより容易にやりとりすることが出来るようになっただけである。

誤解しないでもらいたい。それは大きな進化である。しかし、以前から利用してきたテクノロジーと現在利用しているテクノロジーの違いは、よく言われるほど大きくはないような気がするのだ。

最大の革新はまだ行われていない。それは既にソーシャルのメインストリームで見え隠れしているが、まだ辿りついているわけではなく、私達が目にしているのは氷山の一角である。

大勢の人々がeメールを初めて使い始め、友達に好きな時に、しかも無料でメールを送れることが出来るようなった頃、やはり大きな話題になり、革命的でもあった。しかし、経験の共有(と言うと専門用語のように聞えるが)に関しては、次元が違う。また、経験の共有は私にとっては優柔不断なニューエイジのガラクタではなく、具体的なテクノロジーの機能を意味する。

私達はこのインターネットと呼ばれる存在を寄せ集め、現実の生活での方法と同じ方法で経験を共有することが出来るように試みてきたのだ。現実の生活では、映画を一緒に見たり、ポーカーで遊んだり、ビールを一緒に飲むことが出来る。簡単に言うと、座っておしゃべりをして、同じ物理的なスペースを共有するのだ -- そして、雰囲気、食べ物、音楽、これらのアイテムが経験に加わり、記憶に残る何かとして目立つようになる。

この方向性をどのようにして私達は把握することが出来るのだろうか?それでは、ソーシャルテクノロジーの進化を調べてみよう -- ただしマイスペース、オーカット、フレンドスターの起源を探るのではなく、本当のソーシャルな躍進を詳しく見ていく。

多人数参加型オンラインゲーム


複数人のプレイヤーが参加するオンラインゲームは(MMO)、意外と歴史が長い。オンラインのマルチプレイヤーゲームの傑作、インターネットポーカーよりも昔から存在するのだ。- マルチユーザーダンジョンズ -- MUDと呼ばれていた。元々はオンラインのロールプレイを好む人達に向けて開発されたテキストアドベンチャーのようなゲームである。

現在のMMOはまるで異なるゲームであり、最も人気のあるゲーム形態の一つである。現在、ゲームを攻略するためだけではなく、MMOがもたらすソーシャルな交流を求めて人々はゲームを楽しんでいる。ゲーマー達は定期的に一緒にゲームで遊ぶ人達を友達と考え、現実の生活での友達と一緒に映画を見に行くことを楽しみにするように、次にゲームの中で会うことを楽しみにしている。

本質的にソーシャルな側面を持つゲームのデザインの一つは、難易度が高く、見返りの大きなチャレンジは、グループでなければ達成することが出来ないように設定されている点だ。単なるグループではなく、他のプレイヤーの行動と反応を予測することが可能な円滑に動く機械のように、長い間一緒に頑張ってきた仲間で構成されるグループである。ギルドでは、数日または数週間をかけてボスを退治し、退治した後には、現実世界ではチーム、そして、自分達のプレイに全力を注ぐスポーツチームでしか味わえないような高揚感、つまり絆を得ることが出来る。

ボスとの対戦は経験共有の典型的な例である -- ボスを倒すために自分の役目を果たそうと努力する。恐らく、ボイスチャットを通じて誰かが失敗するとお互いに罵り合い、それでいて見事ボスを退治した後は高揚感が訪れ、失敗を水に流しているのではないだろうか。

また、これは興味深いものの、若干関連性が薄いかもしれないが、一部のギルドは、実際に顔を持つ現実の友達よりも、声を聞いただけでそのメンバーが誰だかすぐに分かるほど距離が近い。

キネクト


キネクトは素晴らしいテクノロジーである -- 人間の体をコントローラのインプットとして利用する初めて一般で利用することが可能なテクノロジーだ。このテクノロジーのおかげで、開発者は今までは夢でしかなかった世界への扉を開くことが可能になり、心躍るキネクトのハックが浸透している。

キネクトが重要である理由が2つある。通常のウェブカムのチャットのように書斎で行うのではなく、キネクトのビデオチャットをリビングルームで行うことが出来る点がまず一つ。友達や家族にリビングから話かけるのは、ユーザーにとっては魅力的な選択肢である。なぜなら、リビングで社交的な交流が行われるからだ。より自然に感じられる。ビューポートとしてのTVも大事な要素の一つである。なぜなら、デスクトップ、ラップトップ、そして、電話機等、比較的小さなビューポートを介して話をするのは現実的ではないからだ。

小さなことだが、テクノロジーは私達を適応させている。そして、エンジニア達が、私達がテクロロジーを安心して使えるように、ユーザーの生活に合わせる取り組みを行っている証拠である。

この点が、より重要で、且つより詳細な要点に結びつく。キネクトは、人々の間で障壁および願いを可能にする要因となり、それぞれの側で人間を強調しているテクノロジー、つまりコンピュータの存在を最小限に抑えるテクノロジー運動の一部である。

言うまでもなくコンピュータは今後も存在し続ける。コンピュータは社会を動かしている。しかし、ユーザーの焦点がテクノロジーとその限界に注がれる時代は終わる。つまり、コンピュータは、ソーシャルネットワーキングサイトを注意深く見ている際に自覚する存在に移っていくだろう。コンピュータは目に見えない世話役になるのだ。

ハングアウト


グーグル+のハングアウト機能も、テクニカルシーンでは進化を、そして、ソーシャルのシーンでは革命をもたらすテクノロジーの一つである。スカイプ等のアプリを使って私達は消費者のTV会議を数年前から行ってきた。しかし、知り合いのグループ -- 家族、友達、同僚、あるいは主催するユーザーが決める何らかのグループ -- が、現実世界のハングアウト(行きつけの場所)のように立ち寄ったり、途中退出したりすることが可能な点が異なる。近所のカフェやリビングルーム等もその一つに数えられる。

そして、この単純な違いが経験に大きな価値をもたらす。これは融通の利かない特定のグループ間のコミュニケーションではない。動的で、会話と参加者は自然に展開し、遥かに現実の世界の近い形で行われるのだ。

ハングアウトを使って経験を共有している人達こそが、ソーシャルテクノロジーの未来の全てである。ソーシャルの未来を予測可能にする物差しと言ってもいいだろう。

現実世界の出会い


iPhoneにより、開発者がユーザーの位置情報を容易に利用可能になったことで生まれた大きなトレンドの一つが、デバイスを介して現実の生活で人々を結びつける取り組みである。

友達が近くにいることを伝えるアプリは珍しくなく、全ての主要なプラットフォームは、何らかのロケーションサービスを用意している。アーリーアダプターではない一般の人達の間でも、フェイスブックプレイシズが定着しつつある。

電子タバコを考案した人物でさえ、他のユーザーが近くにいる際にタバコの警告を発するように設定することで、このアクションに加わりたくなるだろう。奇妙なアイデアだが、トレンドが起きる際はこのようなアイデアが生まれてくるものだ。

ソーシャルテクノロジーは2つの分野に進出しようとしている: インターネットをより現実の生活の出会いのように変える動き、そして、現実の生活の出会いの可能性を高める動きである。この2つの方向性が交わる点こそが、数年後のソーシャルテクノロジーの姿と言えるだろう。

ソーシャルテクノロジーの最終目的地


バーチャルリアリティ(仮想現実:VR)と言う用語は、90年代に考案された浅はかなVRスーツのおかげで、そして、あまりにも長い間実体のなかったため、忘れ去られようとしている。この分野の進化の中では注目されていないが、現在の私達の行動は、オンラインのソーシャルリアリティが物理的な世界での交流を目指しているように思える。ソーシャルテクノロジーの最終的なゴールは、友達が周りの現実を共有することが可能な、現実を感じさせる出会いを作り出すことである。

また、たとえ規模は小さくても、猛スピードで変化が起きている。インターネットとテクノロジーは、人間同士の距離を広げ、反社会的な社会を作っていると主張する人達がいる。私はこの主張が正しいとは思わない。そして、ハングアウト等のサービスがこのような主張を覆すことが出来ないなら、もう何も言うことはない。

私達は今まで以上に多くの人達とつながりを持つことが出来るようになった。近い将来、または遠い将来、つながりを持つ際の、物理的なスペースの共有とバーチャルなスペースの共有の境界線はぼやけていくだろう。

反対派の人達は誤解している。インターネットは人々を引き裂いているのではない。人々の距離を作っているのは地形である。ソーシャルテクノロジーの台頭のおかげで、私達は今、地形を取り払いつつあるのだ。

ライター紹介

ジョエル・ファルコナーはオーストラリア在住のエディターである。様々なオーストラリアのスタートアップで働き、コンテンツマーケティング企業を立ち上げている。ウェブパブリッシング、ウェブデザイン、光り輝くガジェット、そして、ゲームに関心を持つ。ツイッターでジョエル・ファルコナーをフォローしよう。


この記事は、The Next Webに掲載された「Online games: where the real key to the future of social technology lies」を翻訳した内容です。

ソーシャルテクノロジーの進化により、オンラインとオフラインの境界線は益々無くなり、人々のコミュニケーションレベルもより広く深くなっていくというお話でした。昔流行ったバーチャルリアリティとの比較も出ていましたが、確かに現時点でもソーシャルネットワークの普及でオンラインとオフラインの垣根自体、相当薄くなっていますよね。オンラインゲームの技術がさらにその垣根を無くしていくのでしょうか。 ― SEO Japan

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