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司法修習を終えても弁護士登録をしない人が増える時代に突入―弁護士界の変調

私が密かに心を痛めているのは、司法試験に合格し、1年間の司法修習を終えながら裁判官にも検察官にも、さらには弁護士にもならない人たちが増えている、ということだ。

少なくとも新人弁護士にもロートル弁護士にも冬の時代が到来したことは間違いない。

弁護士の世界にも一定程度の競争原理が働くようにしなければならないということを訴えてきたが、急激な改革で現実には多くの若い弁護士が悲鳴を上げているのが実情だ。

若い弁護士を受け入れる既存の法律事務所のキャパシティがあっという間に無くなったのだから、現時点では相当の無理をしないと一人前の弁護士としてはやっていけなくなっている。

法科大学院の受験者数が激減したことに端的に表われている。

経済的に無理をしながら法科大学院に進みどうにか難しい司法試験に合格して司法修習生になっても、その先の展望が見えなくなっているのだから、これでは皆尻込みするのが当然である。

法科大学院制度についての見直しや司法試験合格者数の見直し、さらには司法修習制度の見直しが必要になってきている。

主として経済界の求める法的ニーズに応えるために、毎年の司法試験合格者数を3000人まで増やすという閣議決定までして法曹養成制度の大改革を実行してきたが、現実の社会のニーズはそこまではなかった。

そういう現実を踏まえて、今法曹養成制度改革の再度の見直し議論が弁護士の世界で激しく戦われている真っ最中である。

弁護士は多いのか、少ないのか、という質問があったが、現実に法律事務所を経営する弁護士や法律事務所に勤務する弁護士の立場に立てば多いということになり、一般市民の立場に立てば、いくら弁護士が多くても自分の事件を低廉な費用で迅速適切に解決してくれる弁護士と巡り合わない限りまだ少ない、ということになる。

弁護士は既に多いが、それでも少ないと思う人にとっては少ない、ということになる、というところだろうか。

明らかにそのまま独り立ちさせるのは危ないと思うような弁護士が増えてきているという現状からすれば、弁護士は既に多い、というのが私の感想である。

司法修習を終えても弁護士登録をしない人が段々増えている。

毎月の弁護士会の会費や弁護士会への入会金が払えそうにないから弁護士登録はしたくない、司法修習を終えるまでの借金の返済に追われているのにもうこれ以上の負担は出来ない、そういう悲鳴が若い弁護士や司法修習生、さらには司法試験に合格して司法修習を始める法科大学院修了者の間から上がりはじめているのは間違いない。

少なくとも、司法修習生に対して修習専念義務を課して準国家公務員としての身分取り扱いを認めるのであれば、当面緊急に有給制に戻す必要があることは間違いない。

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