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国連報告が示す「アフリカの若者がテロ組織に参加する理由」:先進国にも共通する「パイドパイパーの時代」

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テロ活動になぜ参加するか

 10月14日、ソマリアの首都モガディシオで爆破テロ事件が発生。現在までに358人の死者が確認される惨事となりました。これに象徴されるように、中東や南アジアに件数では及ばないものの、アフリカでもテロ事件が増加傾向にあります。

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 この事件の約1ヵ月前の9月、国連開発計画(UNDP)はアフリカで拡散するテロについての報告書『過激派への旅立ち』を発表しました。ここではテロ活動に参加した経験のある若者500人以上への聞き取りに基づき、その意識調査と分析が行われています。データに基づく考察は、貴重な資料といえます。

 今回の報告書の主なポイントを確認すると、テロ組織に参加した経験のある回答者のうち、71パーセントが「テロ活動に参加したきっかけ」として「政府の行動」をあげています(p5)。そこには「家族・友人が殺害・逮捕されたこと」を含みます。つまり、不誠実な政府のあり方がテロリストを生んでいるといえます。

 さらに、自発的にテロ活動に参加した者のうち、その理由として最も多かったのは「宗教的な理念」(40パーセント)で、「何か大きなものの一部になること」(16パーセント)、「宗教的な指導者への信頼」(13パーセント)、「雇用の機会」(13パーセント)を上回りました(p46)。つまり、その多くは「世の中の不正を正す」つもりでテロ活動に参加したといえます。

 ただし、その一方で、自発的に参加した者のうち、「コーランを全く読まない」と「ほとんど読まない」と答えた回答者は57パーセントにのぼりました(pp49-50)。ここから、多くの若者が実際には教義についてよく分かっていないまま、テロリストの甘言に乗って「分かっているつもり」で過激派組織に参加していたことがうかがえます。

パイドパイパーに気をつけろ

 この報告書は、テロ活動に実際に関わった人々の内面に光をあてたもので、資料として貴重です。自らもムスリムで、ナイジェリアのボコ・ハラムによって自爆テロを強制された経験もある、人権活動家K.H.ガンボ氏はドイツメディアのインタビューに応えて、「イスラームに詳しくない者ほどテロリストのイデオロギーに影響されやすい」と述べ、この報告書の知見に概ね賛同しています。

 そのうえでガンボ氏は、社会に不満を募らせる若者に以下のメッセージを送っています「パイドパイパーの罠にはまらないで」。

 パイドパイパーとは、「ハメルンの笛吹き男」の英語訳です。

 ネズミが大量に発生して困っていたハメルンの人々の前に、色鮮やかな衣装をまとった男が現れ、謝礼と引き換えにネズミ退治を約束します。しかし、男が笛を吹いてネズミを集め、川でおぼれさせると、人々は約束を破り、謝礼を支払いませんでした。すると笛吹き男は、今度は笛を吹いて街中の子どもを集め、それを引き連れて山中の洞穴のなかに消えていったといいます。

 日本でもよく知られるこのお話は、1284年にドイツ(当時の神聖ローマ帝国)のハメルンで、実際に子どもが突然姿を消した史実を基にしているといわれます。子どもが消えた理由には諸説あり、当時盛んに行われていたルーマニアなどへの植民活動に子どもを売り渡していた様子を現すものという説もあります

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