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北海道の組織的関与なし?

北電泊原発3号機のプルサーマル計画をめぐる北海道のやらせ問題で、北海道が組織した「道第三者検証委員会」(小寺正史委員長、和田丈夫委員、林菜つみ委員、小野田充宏調査員、見野彰信調査員、平松桂樹調査員、細谷祐輔調査員、熊谷健吾調査員、すべて札幌弁護士会所属弁護士、なお、小野寺、細谷、熊谷各調査員は、委員長小寺弁護士の法律事務所所属の弁護士)が、「組織的関与は否定」という報告書を提出したと報じられています。
(北海道新聞2011年11月24日)

 報告書の内容については、抜粋という形で掲載されていましたが、北海道新聞による骨子(の骨子になりますが)では、
 
(1)道民意見の2次募集で賛成意見の提出を依頼したと受け取られる発言をしたとして、道の関与を認定。

(2)しかし、そのような依頼によって、知事や地元4町村長の判断に影響はなかった。

(3)道の組織的関与はない。

となっています。

 この報告書の骨子を聞いた限り、多くの方は、「やっぱり」という印象だったのではないでしょうか。

 高橋はるみ知事は、道の関与を全面否定しており、他方で、北電側の第三者検証委員会が北海道の関与を物証を元に示していたことから、今回の道の第三者検証委員会への付託となったわけですが、元々、物証がある点をすべて否定することは困難な状況の下、それが組織的関与があったかどうかが争点でしたが、その点が見事にスルーされていると言えます。

 今回のやらせの問題が第2次募集でのものであることを考えると、第1次募集の際には、道や北電側にとって好ましい結果ではなかったことは容易に想像がつきます。

 その結果、第2次募集ということでの巻き返しを図ろうとしたのではないか、あるいは、当時、経産省資源エネルギー庁から「有識者会議」の検討を急がせるような注文があったとされていますが、そうなると一課長の判断、しかも、道庁内の誰にも相談することすらなく、単独で行ったとすることの方が無理があります。

 道の関与を認める証拠がなかったことを唯一の根拠にしているようですが、それが刑事裁判であるならいざ知らず、調査報告のあり方自体が問われていると言えます。

 さらにいえば、首長の判断に影響がなかったというのは、当たり前です。最初から知事も4町村長も、プルサーマル計画を容認していたからです。

 従って、問題なのは、根強い反対意見がある中、多くの道民が疑問視する中で、プルサーマル計画を円滑に進めるためのものだったのですから、賛成意見も相応にあったという演出こそ重要だった、だから「やらせ」が問題とされていることへの問題意識が道の第三者検証委員会は希薄といえます。

 報告書は、「計画的、組織的、周到に行われたものと認めるのは困難」としているそうですが、単に証拠の有無だけで行うのであれば、それこそ「予定通り」の結論という批判は免れません。

 その意味では、この問題に決着をつけようとする北海道側の意向に沿った報告書といえます。

 なお、道の第三者検証委員会ですが、構成メンバーはすべて札幌弁護士会所属の弁護士です。北海道との関係、人選過程も問われます。

 その意味では、九州電力の場合が、利害関係のない郷原信郎弁護士を委員長として行われた第三者検証委員会の方があるべき姿と言えます。

 今回の報告書が北海道の意向に沿うために作成されたものでしかなく、従って、北海道が心底、この問題を考えるならば、人選を含め、やり直すべきだし、むしろ、北海道こそが徹底した調査を行うべきなのです。

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