記事

選挙前に主要プレイヤーの動きを評価する ~どういう観点で投票すべきか~

代表を務める青山社中の業務上(政策作成支援/公共政策学校運営等)、与野党を超えて政治家との接点が多い。総選挙を目前に控えた今回は、主要プレイヤーに焦点を当て、私見を述べてみたい。

まず、一連の動きの陰の主役、民進党の前原代表だが、この人の罪は重い。事実上の解党と希望の党への合流の決断は、センスも大義もない。国会議員とは国益を最優先する人だが、今回の氏の行動原理は徹頭徹尾「民進党議員の救済第一」だ。「とにかく安倍政治を終わらせる」という言は、政権と思想が近い氏の口から出ると空疎に響く。

丁度140年前の1877年、西郷隆盛は西南戦争に臨んだ。その心情については様々な解釈があるが、私は、不平士族の押さえつけが無理だと悟り、命を差し出して皆を引き連れ、国益(明治新政府の安定運営)のために滅んだ面があると考えている。前原氏は、仮にも歴史観・国家観があるなら、西郷に倣い、維新を成し遂げて滅びた薩摩士族よろしく、民進党で選挙に臨んで壊滅すべきであった。

次に、「希望の党」を立ち上げた小池氏だが、稀代の勝負師だと改めて思った。乾坤一擲、若狭氏や細野氏が重ねた議論リセットして、自ら前面に立ち一挙に勝負に出た。一時は総理も青ざめたことと思う。

ただ、都知事に留まり出馬しないのは中途半端だし、準備不足があまりに酷い。8年前の政権交代時の民主党は、人材・体制・政策、何をとっても希望の党よりマシであった。それでも、実際の政権運営では未熟さを露呈した。ブームとなったマニフェストは今や死語だが、良識ある国民は、希望の党の公約や候補者に「民主党もどき」を見て「失望」している。

希望の党の候補者は、実態はほぼ民進党からの離脱組だ。かつて、スキャンダルに苦しむ自民党で、外相等を歴任し清廉潔白な伊藤正義氏が総理・総裁に推されたが、「本の表紙を変えても中身を変えないとだめだ」と固辞した。表紙だけ変えて何とかしようとする前原氏も小池氏も甘い。ただ、小池氏としては、前に出ても逆でも勝ち目はなく、今回は解なしだったかも知れない。

なお、私の政治的スタンスとは明確に異なるが、枝野氏の動きは尊敬に値する。「話が違う」と見るや瞬時に新党結成を決断し、明確な選択肢を国民に与えた。各種調査からも、私見としても立憲民主党は、一定の存在感を持つことになると思う。

最後に、安倍総理だが、私は、抜本的な日本の創り直しが必要だと考えており、必ずしもこれまでの政権運営に満足してはいない。ただ、あのどん底の民主党政権時から日本を建て直したことは評価に値する。今回の解散も大義がないと言われるが、本音にある憲法改正の望みをつなぐため、或いは妙な政治家に国を委ねないため、勝つタイミングを探るのは総理として当然である。

以上、今回はどう考えても、他党に飛びつくより、与党を代えない方が国益に適う。長期安定政権は、経済面・安保面で国際社会に翻弄される我が国として死活的に重要だ。視聴率稼ぎのみ考えるマスコミに踊らされ、代えた後を考えずにスキャンダルで政権をつぶすのは、天に唾する行為だ。

しかし、どうして皆、議員という地位にしがみつきたいのか。落選は物理的な死ではない。陶淵明は四十過ぎで宮仕えを辞し、帰郷して不朽の名作「帰去来辞」を残した。素晴らしい人生だ。中身無く「日本を変えたい」と連呼だけして地位を求める政治家を、我々は選んではならない。

あわせて読みたい

「衆院選2017」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    橋下氏 百田氏の方が反日本人的

    橋下徹

  2. 2

    謝罪なく逃走の津田大介氏に呆れ

    やまもといちろう

  3. 3

    日本は韓国に知的な手助けをせよ

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

  4. 4

    天皇燃やした? 映像制作者を直撃

    篠田博之

  5. 5

    日韓は報復でなく大人の対応せよ

    小宮山洋子

  6. 6

    3位に日本 好みに影響を与えた国

    オルタナS編集部(若者の社会変革を応援)

  7. 7

    よしのり氏 北巡る米発言に怒り

    小林よしのり

  8. 8

    ヒグマ駆除に抗議する人の身勝手

    鈴木宗男

  9. 9

    田中角栄が頼った「最強ヤクザ」

    NEWSポストセブン

  10. 10

    他人を褒めなかった瀧本哲史さん

    宮崎タケシ

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。