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2011年の統計からみるスマホの将来:docomo圧勝?

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スマホが伸びるためにはガラスマハイブリッドケータイが必要



改めて現時点でのガラケーの優位点を示すなら、以下のとおりである。
  • ケータイ利用料金に上乗せして課金する方法が発達しており、別途クレジットカードなどを登録しなくてもサービスや商品を購入できる。
  • 課金の問題と絡んで、ケータイ専用会員制サイトが非常に多い。
  • mobageやgreeやmixiのソーシャルゲームでも、スマホ対応ゲームは出始めたところで、ガラケー専用ゲームはまだまだ多い。
  • おサイフケータイが使える(スマホでの対応端末はau/docomoで出始めたところ)
  • ワンセグが見られる(スマホでの対応端末はau/docomoで出始めたところ)
  • 赤外線通信ができる(スマホでの対応端末はau/docomoで出始めたところ)
  • flashが使える(iPhoneはいつまでflashを排除し続けるのか?/せっかく「携帯三社対応サイト」作成から逃れられると思ったら、実際にはiPhone対応サイトを別途作る必要性が出てくる)
たとえばわたしはmihimaru GTのファンクラブ「mihimaLIST」に入っているが、これは「ケータイサイトに登録して、毎月の課金を支払う」ことによって入会ということになる。これは「モバイルファンクラブ」と明記されており、従来の紙の会報誌ベースのファンクラブは存在しないので、ガラケーを持っていないとファンクラブにそもそも入会できない。mihimaru GTのファン層はケータイ族中心ということは容易に推測でき、極めて最適化されているわけである。

要するに、今のところ「ガラケーでないと使いにくい/使えないサイト」があまりにも多く、いわゆるケータイ族にとってはガラケーからスマホに移行する積極的理由は「ない」と言っても過言ではない。もちろん、店員に勧められてスマホを検討するとか、嵐のファンだからケータイ買い換えのときに考慮するとかいうことはあるかもしれないが、「ガラケーでなければ困る」場合は多いのに対して、今のところ「スマホでなければ困る」という理由は(ケータイ族には)存在しないといえよう。

「あれば便利」と「ないと不便」は似ているようで違う(ということを私は中学のころに安野光雅『算私語録』で読んだ)。ガラケーは(PCとスマホで不便を感じない一部の層を除いて)「ないと不便」レベルの「家電」であるのに対して、現状のスマホは「あれば便利」あるいは「必要な機能が足りない」レベルの「ギーク用のマニアックな専用機」でしかない。そこの認識をしっかり踏まえた上で戦略を立てることが必要だろう。

わたしもいずれはスマホがガラケーに取って代わる時代が来ると思う。何しろ、SMAPに嵐にLADY GAGAに渡辺謙に桑田佳祐である。ケータイ3社が必死でスマホ宣伝に力を入れている(補記参照)。

にもかかわらずスマホが爆発的に広がらないのは、現時点でスマホに変えるメリットが少ないどころかデメリットが存在するからなのだ。そして、ケータイサイト作成・運営会社の方も、これまで「3社対応」などでさんざん苦労してきたとはいえ、ガラケー対応サイトを今捨てるならば単純に「顧客を失う」だけで終わってしまうことをよく知っている。

ならば、解決策は一つしかない。これまでのガラケーの機能をすべて搭載した、ガラ&スマ「ハイブリッドスマホ」を出すしかないのだ。これについてはauとdocomoがおサイフケータイやワンセグや赤外線通信に対応し始めているが、たとえばauが「EZwebサービス・EZアプリはご利用いただけません」と言っている間はダメである。

ただし、docomoは2011年秋モデルから「iモードコンテンツをスマートフォンでも利用可能にする」「iモードの課金・認証などの仕組みをスマートフォンにも導入」することを発表している。これにより、docomoユーザーが買い換えに当たって一気にスマートフォンに移行する契機となる可能性があると思う。「将来的には全部スマートフォンにしますよ」というアナウンスも伴えば最強だろう。

一方で、純粋なスマホにこだわり続けるiPhoneはいつまでもギーク専用機の地位に留まり続けるだろう。さらに、apple側の「flash排除」や「apple storeの不透明さ」という問題、SoftBankの「電波が入りにくい」という問題点を何とかしないと、android陣営に大きく引き離される可能性が高いと思う。

補記:携帯三社のスマホCM比較



docomoのCMが渡辺謙・桑田佳祐をメインにし、新進若手女優を用いているのは、まさに「20代〜50代の男性ビジネスユーザー」と「新生活に入る学生」をターゲットとしているものと思われ、現時点では優れたマーケティング戦略だと思う。

一方でandroid auが嵐とLADY GAGAというのは、認知度を高めるのにはよいが、「いろんな検索ができますよ」というアピールを行なっている。これは、嵐でアピールできる一般ガラケー層(特に女性)にはまったく届かない可能性が高い。ガラケーからの移行も問題ないですよ、というアピールを盛り込まなければ伸び悩みは確実だろう。

iPhoneもiPadも、こういう先進ツールが好きな層(特にApple信者)にしかアピールしない内容である。すでにiPhoneカッコイイ、iPadカッコイイ、と思っている人には強烈に伝わるが、いわばギーク層向けでしかない。一般的には「iPadとかiPhoneとかに手を出すようなあの辺の人たち」という印象を強めるだけである。

新機種の動向ならびにCMから伺われるマーケティング戦略から判断して、個人的には、今年の秋冬もしくは来年の初めごろからdocomoを中心にガラケー層/ケータイ族のスマホへの移行が始まると思う。そしてandroid auもEZWeb対応を強いられることになるだろう。そして、iPhoneが取り残される。

ユーザーの大多数を占めるケータイ族(ガラケー層)のニーズを的確に読むことが、スマホ展開のカギとなることは間違いない。

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