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そもそも保守二大政党制など実現不可能である

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衆議院選挙も後半に差しかかっているが、大勢が見えてきたようである。各マスコミの世論調査によると、各党のおおよその予想獲得議席数は、自民党が290前後・希望の党が50前後・立憲民主党が40台後半・公明党が30台前半・日本共産党が15前後・日本維新の会が10台前半・社民党が1となっている。自公両党が引き続き衆議院議席総数の2/3以上を占める可能性が高い。

安倍政権の支持率がさして高くないのにもかかわらず与党が圧勝しそうなのは、いうまでもなく希望の党の登場・民進党分裂により、野党が保守系(希望・維新)とリベラル系(立憲民主・共産・社民)に分裂したからである。希望の党の失速は明らかだが、一方でリベラル系野党の足並みも必ずしも揃っているわけではない。安倍政権と安保法制に反対する有権者には、リベラル系野党の総議席数を増やすことこそ安倍政権打倒の唯一の道であると信じ、戦略的に考え投票して頂きたい。

有権者が継続的に保守系野党を選び続ける理由はない

さて、リベラル派・進歩主義の立場からは、今回の選挙で数少ない成果として挙げられそうなのが、「保守2大政党制」などありえないのが明確になったことである。これまで多くの保守系論者・政治家が保守二大政党制の実現などと訴えてきたが、彼らに対しては実現不可能なことをこれ以上主張すべきでないと言いたい。

構造的に考えれば、希望の党および日本維新の会の失速の理由は保守政党である与党自民党に対して明確に異なる方向性を打ち出せなかったことに帰着するであろう。まず希望の党に関しては、小池代表が保守政党を標榜している以上、個人的には「排除の論理」で民進党のリベラル系議員の入党を断ったのは理解できるが、それにしても何をやりたい政党なのかが見えず、政策に全く具体性がなかった。

方向性以前に中身が無さ過ぎて話にならなかったといえよう。小池氏が自身の権力欲をかなえるためだけに選挙直前に即席で作った政党に、ポリシーのない民進党議員が群がったというイメージである。次に日本維新の会に関しては、大阪府に利益をもたらすような統治機構改革に熱心なのはある程度理解できるが、外交・安全保障面で自民党とほとんど差がなく、それ以外には何かにつけ「身を切る改革」と言っているイメージしか印象に残らない。

エネルギー政策に関してみれば、小池氏はもともと脱原発など一言もいっていなかったし、安倍政権との関係が良好な維新の松井代表が自民党と全面対立してまで本気で脱原発に取り組むとも思えない。

以前から繰り返し主張していることであるが、保守系野党が一定規模以上に支持を拡大できないのは構造的に無理があるからである。根本的な政策の方法性に保守系与党と違いがなく、保守系与党が保守系野党の政策要求をある程度受け入れれば、多くの保守層及び中間層にとって、あえて保守系野党に投票する意義はなくなる。

実際に、政党活動の自由が保証されているOECD加盟国で2大政党制になっている国では、ほとんどが保守(中道右派)VSリベラル(中道左派)の構図となっている。フランスでは現在、これまで政権交代を繰り返していた保革二大政党に代わってマクロン大統領が創設した中道政党「共和国前進」が国民議会で過半数を占めているが、これは東京都における小池知事と都民ファーストの会の関係と同じであり、マクロン氏が大統領になったから共和国前進が選挙で勝利したまでである。

マクロン政権の支持率が急激に低下したこともあり、マクロン氏が政権を去った後もこの党が引き続き議会において安定的な勢力を保てるかは疑問である。

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