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なぜ人は路上ギターに投げ銭するのか?|ノーベル経済学受賞者はこう考えた。

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去る10月、ノーベル経済学賞の受賞者が発表されました。

今年は、シカゴ大学の行動経済学者のリチャード・セイラー教授。

By: Chatham HouseCC BY 2.0

リチャード・セイラーは、行動経済学を切り開いたシカゴ大学教授の経済学者。

ノーベル経済学賞選考委員会の選考理由は、

「個人は完全に合理的には行動できないこと、社会的な背景を踏まえ選択すること、そして自分自身をコントロールできないことなど、人間の持つ特徴が個人の経済的な決定や市場にどのように影響を与えているかを示した」|NHK

からです。

そして行動経済学者として経済学と心理学の橋渡しをしたことが最も大きな貢献だったということです。以下の本も訳されています。

行動経済学の逆襲 (早川書房)

posted with カエレバ
リチャード セイラー
早川書房
2016-07-31



そのニュースを聞いて、「もしかして..」と思い確認したらやはりそうでした。

Congratulations to Nobel Laureate Richard Thaler!

僕がお気に入りのポッドキャスト「Freakeconomic(ヤバイ経済学)」で教授の受賞を祝福していますした。それもそのはずで、このラジオのホストは、シカゴ大学の経済学の教授のスティーヴン・D・レヴィットと、ジャーナリストでありライターのスティーヴン・ダブナーで、2人とも経済学屋さんであり、シカゴ大学のつながりでセイラー教授とも仲がいいみたいです。

今回は、 ヤバイ経済学の過去記事を漁っていて発見したイラー教授も出演していたこちらの収録を紹介します。

セイラー教授がどんな偉大な貢献をしたのかが、よくわかる素敵なエピソードでした。

経済学者が唱えるように私たちは行動すべきか?

これが今回紹介する収録のタイトルです。このエピソードでは、「コスパ」しか考えない超経済的な行動することは可能なのか?が、主なテーマです。ここでは経済的な効率性しか考えない仮想の人物を設定してこれを「ホモ・エコノミクス(ホモサピエンスをもじって)」または「イーコン(econs)」と呼んでいます。イーコンであることは実際に可能で、それが本当に幸せをもたらすのかについて、実験を行いながら議論しています。そして時たま、完全なる経済合理主義者「イーコン」になるべく、ヤバイ経済学のラジオプロデューサーであるグレッグが、今回ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授からアドバイスをもらっているのです。

例えばこんな実験をします。

お金を払ったら満員電車で席を譲ってくれる人はいるのか?

By: Kārlis DambrānsCC BY 2.0

グレッグはニューヨークの混んでいて地下鉄で、座っている乗客に「いくら払えば席を譲ってもらえるか?」と質問しまくります。経済合理主義的に考えれば、座席に見合った値段を提示してもらい、お金を渡せば席を「売買」するやり取りは成立するはずです。

ところがほとんどの人が、価格を言い渡すも席をゆずることはありませんでした。なぜ労力に見合う価格を提示していても席を譲らないのでしょうか?合理的ではありませんよね。ここでグレッグはある社会的規範があることに気づきます。

1つは、電車の座席は売り物ではないと考えられている規範。2つ目は、自分がもし年寄りだったり怪我をしていたり、妊娠をしていたら席を譲った方が良いという規範。

ではこのような社会的規範に対して、イーコンはどう振る舞うのか?

セイラー教授は、本物のイーコンは社会的な規範など気にしない。だったら杖を持ってたらいいんじゃない?そうすれば譲ってくれる人がいるだろうよとアドバイス。笑

そう、イーコンは意地悪なのです。自己の利益を最大限にするためにはあらゆる手段を取ることに躊躇しません。とんでもない自己中なんです。

経済合理主義者になるための3つの条件

では、なぜ人はこのような経済的な合理主義者であるイーコンに憧れるのか。それは、セイラー教授によると人は「制約付き最適化( constrained optimization =限られた予算の下で最良のものを選択すること)」に憧れるからであると。

つまり自分を幸せにするために、貯蓄したり投資したり利口な消費をする、といった「最良の意思決定」ができるようになりたいから。イーコンはそのために無駄な飲み会もしないし、もちろん2日酔いなんてしない。目標のために最適解を導き出すことに秀ているから。

そしてイーコンは、「埋没費用(sunk cost:既に回収することが不可能な費用)」を気にしない。チケット代3000円を払って観た映画が、開始10分でつまらないと感じても、もうチケット代もその10分も、回収できませんよね。それが埋没費用です。普通の人間はこれを気にするから無駄と分かりながらもつまらない映画を見続けて、無駄な時間を過ごすのです。これを全く気にしないのがイーコンです。イーコンは、無駄だとわかったらすぐにその時間を切り捨てて、もっと生産的なことに時間を充てます。

この後、収録ではグレッグがこれらのイーコン完全体として振舞って、何とデートしている女性に告白をすることに(!?)。セイラー教授からは告白することによって失われる機会(本当にその女性でいいのか?元カノの方がいいのではないか?独身より幸せになれるのか?)などを考慮することをアドバイスされる。なぜならイーコンは常に機会費用(opporunity cost)を考慮して、最適解を導き出すから。

そしてグレッグは、イーコンらしく振る舞うために最終的にはその女性と一緒に、費用、利益、そして2人の将来性をスプレッドシートを開いて計算して告白することにしたのですw

しかもエンパイアステートビルで。結果は、ぜひ収録を聞いてみてください。

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