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- 2010年03月21日 13:42
アングロサクソンは「食文化」がないから反捕鯨に走る?
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アングロサクソンは「食文化」がないから反捕鯨に走る?
今回から、比較的時間がとれる日曜日に、じっくり考えたい時事テーマを[サンデー放談]と題して不定期に連載していこうと思います。
お時間のある読者と話題性のあるテーマをともに考察する機会になればと思っています。
初回のテーマは「環境保護と食文化」であります。
■クロマグロ日本外交勝利〜欧州が結束できなかったのも勝因のひとつ
20日付け毎日新聞記事から。
国債外交戦で久しぶりに日本が逆転勝利を収めたわけですが、日本の勝因は記事にあるとおり主に3つ挙げられています。
確かにそのような要素が大きくこの結果に影響したと思います。
しかしこの記事からは見えませんがもうひとつの勝因と呼べそうなのが、これは禁輸案支持だったEUから見れば敗因となるのでしょうが欧州側の「偽善」策であったと、イギリスBBC放送の環境担当リチャード・ブラック記者は指摘しています。
19日付けの産経新聞記事から。
要するに英BBC放送の環境担当リチャード・ブラック記者が「EUがクロマグロ問題で敗北を喫したのは偽善が根底にあったからだ」で言いたいことは、地中海でクロマグロを乱獲した張本人はEUの地中海沿岸漁業国、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルなどの諸国じゃないかと。
で、日本は協議で「これは絶滅危惧(きぐ)種を守るワシントン条約ではなく、EU自身の問題だ」と反撃を受けてしまい、しかも条件付きでの禁輸を求めたEU案は、EU域内の取引継続を前提にしているとされ、まさに「EUにとり都合の良い話で、正当性を訴える一貫性を欠いていた」と。
この敗因分析が地中海沿岸漁業国以外のイギリス人ジャーナリストの指摘である点が興味深いのであります。
今回から、比較的時間がとれる日曜日に、じっくり考えたい時事テーマを[サンデー放談]と題して不定期に連載していこうと思います。
お時間のある読者と話題性のあるテーマをともに考察する機会になればと思っています。
初回のテーマは「環境保護と食文化」であります。
■クロマグロ日本外交勝利〜欧州が結束できなかったのも勝因のひとつ
20日付け毎日新聞記事から。
クロマグロ:禁輸否決…日本、情報戦に勝利
大西洋(地中海含む)クロマグロの国際取引禁止案は、ワシントン条約締約国会議の第1委員会で圧倒的な反対多数で否決された。日本は劣勢とみられたが、ふたを開けてみれば賛成票は可決に必要な有効票の3分の2に遠く及ばず、欧米メディアも「日本の明らかな勝利」と評価。予想を覆す結果は日本の周到な根回しに加え、自国産業への打撃を懸念する途上国の動きや「陰の主役」中国の影響力があった。
◇農相「勝てるなら一気に」
「意見が出尽くしたのなら、直ちに採決すべきだ」。カタール・ドーハで18日午後(日本時間同日夜)に開かれた第1委員会。各国の意見表明が一巡したところで、マグロの蓄養が盛んなリビア代表が即時採決を求める動議を提出した。スーダンも同調し、採決の結果、賛成が72票と反対の53票を上回った。
「5票以内ぐらいの差で決まる」。5日の会見で赤松広隆農相は情勢の厳しさを強調した。欧州連合(EU)加盟27カ国が禁輸賛成で足並みをそろえることが確実視されていたためだ。ケニアなどアフリカ23カ国も水面下で、EUに「象牙禁輸延長を支持すればクロマグロ禁輸に賛成する」と持ちかけており、否決に必要とみられる50票の確保は難しい情勢だった。
水産庁は2月ごろから、OBら6人を政府顧問としてアフリカなど途上国を中心に派遣、多数派工作を展開した。しかし、顧問の一人は2月下旬、毎日新聞の取材に「漁業当局の人間は理解してくれても、それが政府全体の意見ではないことも多い」と漏らした。水産庁幹部は「終盤までもつれる」と長期戦を念頭に準備を進めていた。
だが、サメ類の規制強化に関する議案が16日、日本やロシア、中東諸国などの反対により大差で否決されたことをきっかけに代表団は「この勢いならマグロ禁輸の否決も可能」との判断を強める。20日過ぎに米国が大型代表団を送り込み、多数派工作を始めるとの情報もキャッチすると、赤松農相は「おれが責任を取る。勝てるなら一気にやれ」と指示した。
リビア動議の採択後、EU案、モナコ案が採決され、いずれも否決。モナコ案の投票総数は118で、反対した68カ国にはアフリカ諸国が目立った。一方、賛成票はEU加盟国数を下回り、棄権30カ国の多くが欧州諸国であることをうかがわせた。米国の多数派工作が成功し、アフリカ諸国などが賛成に回っていれば、禁輸が採択されかねない「薄氷の勝利」だった。
採決の動議を提出したリビアなどに加え、同じアジアのマグロ漁業国である中国や韓国の存在も大きかった。特に中国は原油や鉱物など資源確保のため、アフリカを徹底支援。赤松農相は16日の会見で「中国も他の国に働きかけてくれている」と述べた。【行友弥、ブリュッセル福島良典】
http://mainichi.jp/select/world/news/20100320k0000m020128000c.html
国債外交戦で久しぶりに日本が逆転勝利を収めたわけですが、日本の勝因は記事にあるとおり主に3つ挙げられています。
・日本の周到な根回し
・自国産業への打撃を懸念する途上国の動き
・「陰の主役」中国の影響力
確かにそのような要素が大きくこの結果に影響したと思います。
しかしこの記事からは見えませんがもうひとつの勝因と呼べそうなのが、これは禁輸案支持だったEUから見れば敗因となるのでしょうが欧州側の「偽善」策であったと、イギリスBBC放送の環境担当リチャード・ブラック記者は指摘しています。
19日付けの産経新聞記事から。
「欧州の敗因は偽善」とBBC記者 クロマグロ取引禁止案否決
2010.3.19 20:08
【ロンドン=木村正人】カタールで開かれているワシントン条約締約国会議で、大西洋・地中海産クロマグロの国際取引禁止案が否決され、米国や欧州連合(EU)は失望感を隠さず、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)で漁獲制限の強化を図る方針を表明した。一方、否決の結果について、日本の交渉筋は「漁獲物の輸出に頼る途上国の間に、取引禁止案は自国や域内に巨大市場を抱える先進国の身勝手だ、という不公平感が広がり、予想以上の大差がついた」と分析した。
英BBC放送の環境担当リチャード・ブラック記者は、ブログで「EUがクロマグロ問題で敗北を喫したのは偽善が根底にあったからだ」と辛辣(しんらつ)だ。
地中海でクロマグロを乱獲した張本人はEUの沿岸漁業国。ICCATの科学委員会が提案した漁獲モラトリアム(一時中止)をロビー活動で退けたのは、ほかならぬEU加盟国で、日本は協議で「これは絶滅危惧(きぐ)種を守るワシントン条約ではなく、EU自身の問題だ」と反撃した。
しかも条件付きでの禁輸を求めたEU案は、EU域内の取引継続を前提にしているとされ、同記者も「EUにとり都合の良い話で、正当性を訴える一貫性を欠いていた」と指摘する。
近年、リビアやチュニジアなど北アフリカの地中海沿岸国もクロマグロの漁獲に参入。最大消費国の日本がこうした国と組めば、国際取引禁止後も留保権を使い輸入を継続できる。このため、フランス、イタリアなどの水産業界は「北アフリカ諸国に水産利権を奪われる」と猛反発していた。
18日の協議で、モナコとEUの提案に賛成意見を表明したのは、米国とノルウェー、ケニアの3カ国。反対意見の表明は日本、韓国、カナダなど13カ国とアラブ連盟だった。
大差での否決に、EUの欧州委員会は18日の声明で「失望した。EUはクロマグロの資源回復に強力な措置が必要だとの立場を維持する」とし、ICCATで漁獲制限を徹底させる方針を示した。ただ、北アフリカ諸国にもクロマグロの利権をあさる欧州資本が大量に流入しており、欧州資本による違法、過剰漁業の取り締まりも課題になる。
一方、米国交渉団のストリックランド代表は「18日の投票は後退だが、米国は持続可能な形で漁獲が管理されるよう戦い続ける」と強調した。
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/100319/env1003192010004-n1.htm
要するに英BBC放送の環境担当リチャード・ブラック記者が「EUがクロマグロ問題で敗北を喫したのは偽善が根底にあったからだ」で言いたいことは、地中海でクロマグロを乱獲した張本人はEUの地中海沿岸漁業国、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルなどの諸国じゃないかと。
で、日本は協議で「これは絶滅危惧(きぐ)種を守るワシントン条約ではなく、EU自身の問題だ」と反撃を受けてしまい、しかも条件付きでの禁輸を求めたEU案は、EU域内の取引継続を前提にしているとされ、まさに「EUにとり都合の良い話で、正当性を訴える一貫性を欠いていた」と。
この敗因分析が地中海沿岸漁業国以外のイギリス人ジャーナリストの指摘である点が興味深いのであります。
- 木走正水(きばしりまさみず)
- 新聞・テレビの報道分析が高い評価を受けている。



