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『言い訳をするな』(小沢家家訓)〜「平成の脱法王」がよくいうよ

 電子化されていないようですが18日の日経新聞記事は地味ですが現在のこの国の中小零細企業が置かれている大変厳しい暗澹たる経営環境を示しております、テキスト化してご紹介しましょう。

中小の返済肩代わり急増 経営環境の悪化続く
信用保証協会09年4〜12月、15%増の9000億円
 信用保証協会が倒産企業に代わって金融機関に借入金を返済する「代位弁済」が増えている。全国信用保証協会連合会によると、2009年4〜12月の保証協会の代位弁済額は前年比15%増約9000億円だった。金融危機による中小企業の経営悪化で5年ぶりに1兆円を突破した08年度を上回るペースで、過去最高だった02年度の約1兆2600億円に迫る可能性もある。
経営環境の悪化続く
 各都道府県などにある保証協会は企業から保証料を受け取り、民間金融機関の中小企業向け融資に保証を付けている。企業が倒産して借入金の支払いができなくなった場合は、保証協会が返済額の8割を肩代わりする。08年10月から政府が景気対策で導入した「緊急保証制度」では、全額を保証している。
 代位弁済額は02年度をピークに減少傾向だったが、原油価格の高騰などの影響で中小企業の経営が悪化した07年度増加に転じた。08年度は金融危機による景気悪化で代位弁済額が5年ぶりに1兆円を突破した。
 景気は持ち直しの兆しを見せているが、中小企業の倒産は依然高水準で推移している。
 東京商工リサーチによると、09年下期の負債額が1000万円から5000万円未満の小規模倒産件数は前年の同時期とほぼ同じ件数で高止まりしている。大企業などの景況感は改善しているが、中小・零細企業は厳しい経営環境が続いているためだ。今後も代位弁済額は高水準が続くとみられる。
 政府は09年12月の緊急経済対策で緊急保証制度の拡充・延長を決めた。緊急保証制度の利用拡大に合わせ、代位弁済が膨らむ可能性がある。10年前の金融危機時の1999年10月から01年3月に実施した「特別保証制度」では、制度の導入後に焦げ付きが急増し、代位弁済がピークを付けたのは02年度だった。
 東京商工リサーチの調べでは、緊急保証制度を導入した08年10月からの1年間で、同制度を利用した企業の代位弁済額は501億円にとどまる。全体に占める割合はまだわずかだが、「経済環境が好転しない場合、2〜3年経過後に返済が滞る可能性が高まる」(全国信用保証協会連合会)。景気の回復力が弱い場合は同制度を利用した企業の返済不能が相次いで生じる恐れがある。
(日本経済新聞2月18日朝刊4面)より抜粋
 記事にあるとおり、中小零細企業の倒産による返済肩代わりが急増しております。

 2009年4〜12月の4分の3半期で保証協会の代位弁済額は前年比15%増約9000億円とありますから、通年では確かに過去最悪だった02年度の約1兆2600億円に迫る可能性があるわけです。

 代位弁済額は年度末の3月期には増大する傾向にありますから、もしかすると過去最悪額を更新する可能性もゼロではなさそうです。

 さらに憂鬱なことは、98年の過去事例によれば不況による「特別保証制度」が実施されるとその2〜3年経過後に代位弁済がピークを付ける傾向があるため、今回の08年10月に導入した緊急保証制度にからむ代位弁済の発生はむしろ今後急増することが予想されているわけです。

 現在ですら過去最悪に近いペースなのにここ一二年でさらに悪化が見込まれる中小・零細企業の代位弁済額なのです、代位弁済額の急増すなわち中小零細企業の倒産の急増であります。

 虚しく切ないのは記事にもあるとおり、倒産規模ですが1000万円から5000万円未満の小規模倒産がほぼ大半を占めているのであります、数千万の借入が返済できず倒産に追い込まれる企業、またこの記事からは見えてきませんが、多くの企業は銀行プロパー枠(信用保証がない借入金)も当然併用しているのであろうことで、当然倒産時に連帯保証人として零細経営者は財産没収、かなりのケースで自己破産に追い込まれているであろうことです。

 私は経営コンサルタントとしてクライアント企業が力及ばす倒産し経営者夫妻が自己破産手続きをするという痛恨の出来事をこの不況で経験してきました。

 当時のブログより。
(前略)
 先月倒産した私のクライアントの話をご紹介しましょう。
 目の前で夫(社長)が自己破産手続きの書類にサインするのを気丈にも夫の肩に手を添えて見守る奥さんの姿、5号認定(年末の特別融資枠)の希望申請枠が審査が通らず半減され、資金繰りに窮し越年を断念、倒産を選択したこのご夫妻は、自己資産のすべてを失い、自己破産されました。
 日本の場合、信用力のない中小零細企業が資金を金融機関から借りる場合、金融機関は例外なく代表取締役個人の連帯保証を求めますから、会社が倒産や解散する場合、日本の多くの事業主は連帯保証人として財産が没収され、多くの場合それでも足らないので自己破産の道しか残されていないのです。
 ご夫妻には中学生と小学生の二人のお子さんがおられますが、企業家として立派だと思えたのは廃業の際、わずかに残っていた自己資金を全て、これから年の瀬だというのに職を失う、最後まで雇用し続けていた6人の従業員達にあてがったことでした。
 一人当たりとしてはわずかな金額ですが、愛する家族よりも、愛する従業員を優先させる、起業家としての最後のけじめなのでしょう。
 同じく家庭と会社を持つ立場として、この社長の悲壮なしかし立派な行動に私は深い感銘を覚えました。
 また職を失った6人の従業員の人々も、誰一人この社長夫妻を恨むこともなく、最後には給与は半分にまで減らされていましたが、限界まで雇用し続けたご夫妻に感謝の言葉を繰り返していました。
 大企業が振りかざす一般の経営論からすれば、不況の中、雇用を維持し続けるのは愚策となりましょうが、人が物つくりの中心である零細業においては、これは立派な施策なのであります。
 そして、これぞ、実業者としての矜持(きょうじ)というものでありましょう。
(後略)
2009-01-04 不況の中倒産するまで雇用を維持し続ける中小零細企業の矜持 より抜粋
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20090104

 ・・・

 数千万の借入に喘ぎながら苦しんでいる多くの零細企業を想うとき、次のようなのんきな記事を目にすると怒りすら覚えてしまいます。

 18日付け産経新聞電子版記事から。
「小沢家には『言い訳をするな』の家訓がある」 民主・平野貞夫氏
民主党の小沢一郎幹事長に近い平野貞夫元参院議員は18日午前、都内で開かれた同党の姫井由美子参院議員の会合で講演し、「政治家・小沢一郎の評判が悪い理由」について、「小沢家には『言い訳をするな』『ひとの悪口を言うな』という家訓が代々残っているそうだ。言い訳は絶対しないし、人間個人としての相手を決して非難、誹謗(ひぼう)しない。彼の人生観として貫かれている。これが政治のいろいろな段階で誤解となり、虚像となっている」と述べた。
 小沢氏をめぐっては、自民党の谷垣禎一総裁は17日の党首討論で、「政治とカネ」の問題について、国会での証人喚問に小沢氏が応じて説明するよう求めている。
 また、平野氏は講演で、小沢氏について「一切、法規に違うようなことは(小沢氏)個人としても党としてもやっていないと断言できる」と語った。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100218/stt1002181052002-n1.htm

 「小沢家には『言い訳をするな』『ひとの悪口を言うな』という家訓が代々残っているそうだ。言い訳は絶対しないし、人間個人としての相手を決して非難、誹謗(ひぼう)しない。彼の人生観として貫かれている。これが政治のいろいろな段階で誤解となり、虚像となっている」

「一切、法規に違うようなことは(小沢氏)個人としても党としてもやっていないと断言できる」

 ・・・

 たしかに法規に違うようなことはやっていないのかもしれません。

 でもね、法規をなめきって抜け抜けと法人格のない政治団体を通じて10億もの個人名義不動産を運用するという、脱法行為を繰り返してきた政治家ですよ、そしてインチキ確認書を捏造して記者会見で堂々と全国民に『言い訳しまくった』のはお忘れなんでしょうか。

 町場ではいまこのときも小沢事務所からすればわずかなお金数千万に苦しみ、しかし潔く法規に従い倒産していく零細企業が後をたたないのですよ、そして連帯保証人として自己破産してしまう経営者も後をたたないのです。

 何が「国民の生活が第一」なのでしょうか。

 鳩山さんが「平成の脱税王」なら小沢さんはさしずめ「平成の脱法王」でしょう。

 家訓が『言い訳をするな』ですか、「平成の脱法王」がよくいうよ、ということでございます。

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