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国民参加制度の拡充という視点から見た国民投票制度の在り方

国民投票法制検討チームに対して提出するレジメを推敲している。
今朝のブログは、そのための頭の体操である。
ご批判をいただければ幸いである。

やはり、憲法予備的国民投票の評判が良くない。
説明が分かり難い、用語が適切でない、ということもあろうが、そもそも発想が消極的に過ぎる。

国民投票法の附則第12条には、次のように書いてある。

第12条(憲法改正問題についての国民投票制度に関する検討)
国は、この規定の施行後速やかに、憲法改正を要する問題及び憲法改正の対象となり得る問題についての
国民投票制度に関し、そのい意義及び必要性の有無について、日本国憲法の採用する間接民主制との整合性の確保その他の観点から検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。

国民投票をはじめから憲法改正国民投票に限定し、その限定した概念の延長上に「憲法予備的国民投票」(憲法改正を要する問題及び憲法改正の対象となりうる問題についての国民投票)なるものを導き出しているが、国民投票に消極的過ぎる嫌いがある。

わが国が基本的に間接民主制を取っているということを前提にしても、国民の政治参加の機会を増やすことを憲法が禁止しているとまでは到底考えられない。

憲法の前文に「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」とあり、第41条に「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である「」と、第59条に「法律案は、この憲法に特別の定めのある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。」とそれぞれ明記されている。
したがって、憲法改正についての承認のための国民投票以外に、国民投票という形でもって国民の意思を聞くことまでは、現在の憲法が予定していなかったことは当然である。

しかし、その国会が国民の政治参加意欲の変化を受け止め、より国民の声を国会審議の場に反映するための一つの手段として、国民が関心を持つ一定の重要な問題について国民投票制度を導入することは、主権者である国民の政治参加を拡充するものであって、決してはじめから嫌忌するようなことではない。
私は、単なる憲法改正のための予備的国民投票だけでなく、一般的国民投票制度も積極的に検討の対象に加えるべきであると考えている。

それでは、一般的国民投票制度の制度設計はどうあるべきか。

これこそ、国民投票法制検討チームで知恵を絞っていただきたいことであり、これまでの議論に捉われることなく、柔軟にかつ大胆に考えていただきたい。
国会議員だけが立法を掌るのではない。
まず、このことを認識していただきたい。

これからは、あらゆる機会を通じて国民の多様な意見を反映する仕組みを取り入れるべきである。
裁判所が憲法判断をした事項が速やかに立法府である国会の審議に反映するような仕組みになっているか、をまず検証すべきである。
行政の現場で憲法問題が発生したときに、これが速やかに立法府である国会の審議の場に反映する仕組みを構築すべきである。
一般のマスコミや有識者、一般市民の憲法問題についての意見が立法府である国会の審議の場に届くような仕組みが必要である。

私は、憲法審査会がその役割を担うべきであると考えている。
憲法審査会の委員は国会議員だとしても、憲法審査会は、学者や研究者等の有識者の中から常勤の特別審査委員を委嘱できるものとし、専任の事務局を置くことにしては如何か。

次に問題となるのは、如何なるテーマを憲法審査会の審議の対象とするか、である。

脳死を人の死とするか、という問題は、本来的に国民の選択に委ねるべき問題であったと思う。
これから問題となるのは、死刑廃止問題、外国人の参政権問題、身分法、相続法、戸籍法等国民の権利義務に関する基本法制の大改正問題、新たな人権保障機構の創設問題、日米安全保障体制の見直し問題、国連はじめ国際機関との関わり方に関する問題、在沖縄米軍基地移設問題等である。
法律や政省令、通達の合憲性、条例の合憲性、行政処分の合憲性なども憲法審査会の審査の対象にしたらいい。

折角出来た国民投票法であるが、残念ながら国民の関心は高くない。
国民投票法に新たな命を吹き込む必要があるのではないか。

私たちは、国民の選択によって政権が交代したことを真摯に受け止める必要がある。
まさに無血革命と言ってもおかしくないほどの大変革が、現在の憲法制度の下で実現した。
私自身は国会議員としての仕事をする場を失ったが、この度の政権交代は国民主権と議会制民主主義の一つの大きな成果だと評価すべきだと積極的に受け止めている。
政党の違いはあっても、私たちは現行憲法の基本理念を守りながらより良い制度を作り上げるために努力してきた。
国民投票法の成立は、多くの皆さんの知恵と汗の結晶である。
正直、よくぞここまで来たものだと思っている。

私たちは、この貴重な成果を水に流してしまうようなことは、絶対にしてはならない。
そのために、私は、憲法改正国民投票法を本当の国民投票法に衣替えさせ、憲法審査会を憲法問題等審査会に改変し、その機能を大胆に拡充することを提案したい。

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