日弁連の会長選挙の再投票が3月10日に行われることになった。
多重債務者問題等で脚光を浴びてきた著名人の一人である宇都宮弁護士と、地道に弁護士会務に取り組んできた苦労人の山本弁護士の一騎討ちである。
日弁連の会長選挙がマスコミの話題に上るということは珍しい。
つい先日まで国会議員を務めていたが、私も弁護士。
弁護士会のことについても若干触れておいた方がいいだろう。
弁護士会では、多重会務者問題、という問題がある。
一人でいくつもの会務を抱えている人のことだ。
弁護士会ほど日本でシンクタンク的な役割を果たしている職能団体は他にはないと思うが、出来る人ほど沢山の仕事を託されるようになる。
次から次へと様々な仕事が押し寄せる。
いくらなんでもそれは気の毒だ、ということで、なるべく大勢の人に仕事を担ってもらうように工夫をしてきた。
会務参加の義務化なども行ってきた。
しかし、頼りになるのは、やはり骨身を惜しまないで会務に従事してきた人。
嫌な顔をしないで、なんでも引き受けてくれる。
山本弁護士は、多重会務者の一人。
私もかつてはその一人だった。
弁護士会の仕事を託すとしたら、やはり弁護士会や弁護士会の会務に精通した人に限る。
そういうことで、私は山本弁護士の多くの推薦人の一人に名前を連ねている。
一方の宇都宮弁護士は、私が東京弁護士会の法律扶助委員会の副委員長を務めていた頃、私と前後して副委員長になった一人。
随分昔から知っている。
一貫してサラ金問題、多重債務者問題に取り組んでいるから、弁護士会の中でよりも外で有名になった。
その宇都宮弁護士とは、私が国会議員になってからよく会うようになった。
貸金業規正法の改正問題や地下鉄サリン事件被害者救済問題、さらには派遣村等の問題や消費者庁設置問題でも話を聞いたことがあったかも知れない。
有能な人である。
訥弁のように感じるときがあったが、実に能弁だ。
自民党の部会で説明をしてもらったときなど、実に立て板に水のような見事な弁舌を大勢の国会議員を前にしてしていた。
この人の仕事場は、多分国会が一番向いていると思う。
単に数合わせの国会議員ではなく、本当に仕事をする国会議員。
民主党の政権が当分続くのだから、宇都宮弁護士に消費者担当大臣をさせたらいい。
福島瑞穂参議院議員よりもよほど仕事をしそうだ。
私は、そう思っている。
ということで、私は日弁連会長には山本弁護士に就任してもらうのがいいと思っている。
ところで、マスコミの理解では、争点は一つ、ということになっている。
司法試験の合格者を現在の2000人程度から1500人程度に減らすかどうか、ということ。
山本弁護士はどちらかというと現状維持路線だということだが、この際、司法試験合格者数の大幅見直しに舵を切ったらどうだろうか。
出来るだけ全国の弁護士の本音のところの要望を受け容れ、譲れるところは譲って都市と地方との対決構造を弁護士界に持ち込まないようにすることが大事だ。
さて、同業者の皆さん、如何ですか。
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- 2010年02月13日 19:20