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金融が経済の主役ではない

 英国病を克服したサッチャー首相の功績は、誰も否定できない。 米国経済を立て直したレーガン大統領の功績も、歴史の1ページを飾るに相応しい。

 しかし、両国とも金融に頼る経済構造に傾斜しての復活であり、それが正しい道であったかどうかは、これからの歴史が証明することになる。

 もともと金融は経済の潤滑油であり血液に過ぎず、経済の主役ではない。 ところが、最近の両国では金融という新しい産業がGDPの10数%~20%を占めるようになっている。

 大量の雇用や高度な潤滑油機能でもって、新たなる富の創出に貢献している部分は、大いに評価したい。

 しかし、お金でもってお金を追いかけるだけで、人々の生活をどこまで豊かにしているか疑問な面が、どんどん肥大化し加速しているのも事実。

 追いかけているのは、利益や運用成績すなわち数字であって、社会全体の豊かさではない。 金融万能主義を奉じる人達にとっては、いくらでも突っ走りたいところ。

 一方、多くの人たちからすると金融サービスで便利になった面もあるが、毎日の生活でどれだけ豊かさを感じるようになったかは、はなはだ疑問である。

 それが、ピケティの論文ではないが、社会的な格差拡大という問題として世界中に広がっている。

 そういった金融万能主義が、いつまでそしてどこまで続くのかは誰にも判らない。 ただ、このままでは一部の強欲と大多数の窮乏化という図式が、より鮮明になっていくのは避けようがない。

 はっきりしているのは、先進各国が異常なる資金供給でもって金融万能主義に、天文学的な金額の軍資金を注入していることだ。

 史上空前の過剰流動性が、金融経済の肥大化を促進させている。 それが、多くの人々の窮乏化につながっているという現実は、いずれ社会問題化していくのだろう。

 金融は誰のため、なんのためににあるのかを、一度しっかり考えてみたいものだ。

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