- 2017年10月03日 09:15
なぜ"怒りっぽい人"は嫌われ、孤立するか
1/2■怒る側と怒られた側、大きな意識の違いがある
怒りっぽいことで、どんな損をこうむるのか。事実を検証する前に、図を見てほしい。
アンケート概要●一般社団法人日本アンガーマネジメント協会調べ。対象:社員(職員)100人以上の企業に勤める正社員(正職員)の男女とコールセンター勤務の男女。部下、後輩、顧客に怒ったことがある515人、上司、先輩、顧客に怒られたことがある774人。調査期間:2016年3月11~14日。調査地域:全国
日本アンガーマネジメント協会の調査によれば、「怒ったとき、怒られたときの感情はどれくらい持続するか」という問いに対して、怒ったほうは「数分程度」と答えた人が一番多いのに対し、怒られたほうは「1年以上」がトップだった。
また、「パワハラに該当するかどうか」は、怒られたほうの5割以上がそうだと答え、怒ったほうは、2割弱しか気にしていない。
「人間関係が回復したか」という問いには、怒られたほうは5割弱が「全く回復していない」、怒ったほうは5割弱が「だいぶ回復した」と感じている。
自分はすでに忘れているのに、怒った相手はずっとうらみ続けていて、パワハラだと感じているとしたら、笑い事では済まされない。この意識の違いを念頭に証言を聞いてみよう。
■正論をぶちまけ、遠方へ異動
組織においては、人間関係の軋轢が生まれるのはやむをえないこと。上司の粗野な物言いに、部下の生意気な態度に、取引先からの理不尽な要求に、日々ストレスを募らせている人は少なくないだろう。そうしたストレスはイライラの源泉となり、やがて愚痴や怒りとなって放出される。そして、他人と比べて相対的にこのサイクルが短ければ、「怒りっぽい人」とのレッテルを貼られてしまうわけだ。
では、組織の中で「怒りっぽい人」は具体的にどのような不利益を被るのか。生命保険会社の人材開発部勤務、人材派遣会社で人事部長を経て、現在はアチーブ人財育成代表として、数々の企業の人材コンサルティングをしている諌山敏明氏は、「怒りっぽい人」や「すぐに感情的になってしまう人」は、昇進しづらいという事実は否定できないという。
「実は私自身が、どちらかというと怒りっぽい性格で、若い頃には上司と一悶着起こした経験があるんです。当時あるプロジェクトをまとめる役を任されていたんですが、上司が私を飛び越して、チームの一人に指示を出したんです。そのことにクレームをつけたのが発端で、若気の至りで激しくやり合いました。それ自体は正当な意見だというのは、社内の多くが認めるところでしたが、やはり上に楯突くことは組織のルールから外れる行為。すぐに遠方の拠点への異動を命じられたのもやむをえないことだったと思います。なかなかドラマの『半沢直樹』のようにはいきませんよね。彼も結局、出向を命じられましたが」
■「べき論」を強く持っている人が多い
かつての自分がそうであったように、怒りっぽい人は何事に対しても、こうあるべきだという「べき論」を強く持っている人が多い。
「そういう人は、たいてい他の人の話を聞き入れようとしません。管理職になってチームをまとめる立場になれば、さまざまな意見を聞いて調整しなければならない。上にいけばいくほど、これが重要になります」
べき論を振りかざす人はマネジメント能力が欠けているとみなされ、昇進の機会も与えられないというわけだ。
ノリ・コーポレーション代表の村上賀厚氏はフォードジャパン人事課長、ロイタージャパン人事本部長など、外資系企業を中心に12社で人事労務に携わってきた経験から、「せっかく実力があっても、上司に煙たがられたらおしまい」と警告。
「ある製薬会社に在籍していた社員は、普段からカリカリしていて、特に職場環境や会社の方針に関して、何かにつけて文句ばかり言っていました。例えば、『支給されたパソコンのマウスが小さいから腱鞘炎になった』とか。そういった些細なことを理由に休職を申請することもあり、上司はほとほと困っていたようです。仕事はそれなりにソツなくこなしていたようなのですが、あるとき、ちょっとしたトラブルを起こしたのをきっかけに、出世とは無縁の閑職に追いやられました」
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