- 2017年10月02日 08:47
【読書感想】東大から刑務所へ
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- 作者: 堀江貴文,井川意高
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/09/23
- メディア: 新書
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Kindle版もあります。

- 作者: 堀江貴文,井川意高
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/09/23
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内容紹介
【ホリエモン×カジノで106億円熔かした井川意高の壮絶な人生哲学のぶつかり合い】すべてを失わなければ、辿り着けない強さがある!
大学在学中に起業したライブドアを時価総額8000億円企業にまで成長させながらも、
世間から「拝金主義者」のレッテルを貼られ逮捕された堀江貴文。大王製紙創業家の長男として生まれ、幼少時代は1200坪の屋敷で過ごし、
二人の元東大生が刑務所に入って初めて学んだ〝人生の表と裏〟〝世の中の清と濁〟。
42歳で3代目社長に就任しながらも、カジノで106億8000万円を使い込み逮捕された井川意高。
東大では教えてくれない「人生を強く自由に生きる極意」を縦横無尽に語り尽くす。
『熔ける』という井川意高さんが自らの「カジノ地獄(天国?)」を書いた本を読んで、僕は思ったんですよね。ここまでやれば、ある意味「本望」であり、刑務所に入ることによって、井川さんはようやくギャンブルの呪縛から解放されるのではないか、と。
これでやめられなかったら、もう、どうしようもないよね……
この新書、その井川さんと、同じように刑務所生活を送ることになってしまった有名経営者である堀江貴文さんの対談本です。
読み終えて、僕は苦笑しながらつぶやきました。
「こりゃ、ダメだ……」
井川さん、もちろん出所されてからはカジノには行っていないようですが、テレビの「坊主麻雀」っていう、負ければ丸刈り、勝てば高額賞金の番組に出演したり、それなりに贅沢な暮らしをしたりで、傍から見ると、清々しいくらいに「反省した様子をみせていない」のです。
むしろ、「おつとめも終わったのだから、これからはまた好きなように生きてやるぜ!」と胸を張っているようにすら思われます。
堀江さんがライブドア事件で実刑判決を受けたことに関しては、僕は「出る杭として打たれた」と考えていて、実刑は厳しすぎると感じていますし、堀江さんが刑務所に入れられたことに対して納得できない気持ちは理解できるんですよ。
でも、井川さんって、カジノでのギャンブルのために、自分の会社から、途方もないカネを引き出し続けた人で、「言い訳のしようもないギャンブル廃人」にみえます。
御本人も「わかっていたけれど、ギャンブル依存で抜け出せなかった」のだろうな……と思いきや、「創業者一族でたくさん株も持っていたからいいだろう」って……
結果的に、井川さんが起こした事件で、井川一族は会社から追われているにもかかわらず、御本人は、どこ吹く風、という感じです。
なんてひどい人だ、というより、もうここまで来てしまっては、どうしようもないな……という、乾いた笑いが沸いてきます。
それと同時に、刑務所というのは、人間を「更生」させるための場所ではないのだな、ということも伝わってきます。
もちろん、人にもよるのだろうけど、少なくとも、井川さんにとっては、反省や更生の場ではなかったみたいです。
井川意高:3年2カ月の懲役刑を勤め上げたあとにしみじみ思うけど、カジノ狂いと特別背任事件が発覚しなければ、私は今ごろまだ大王製紙会長を務めていたかもしれない。少なくとも、50代前半の若さで経営陣から足を洗うなんてことは絶対になかった。
でもね、大王製紙の役員として人生の大半を終える生き方に、果たしてどれほどの意味があるのかと思う。たとえ年間5000億円の売上を立てている一部上場企業だといっても、10年後、20年後も安泰とは限らないからね。堀江貴文:東芝みたいに、ものの見事にズッコケてつぶれかけてる大企業もありますしね。
井川:今は栄華を誇っている大企業であっても、いつまで左うちわでいられるかなんて、誰にもわからない。それに社長なり会長を何らかの形で辞めたあと5年もたったら、みんなその人の存在なんて忘れてしまう。
大王製紙は、製紙業界では第3位かそこらの会社なわけよ。そこの創業家3代目の社長がちょこっとエリエールの事業を立て直したからといって、井川意高の名前はちっとも歴史には残らん。今回の事件のおかげで、しょうもない文化史の隅っこかもしれないけど、「井川意高」の名前は間違いなく歴史に刻印されたと思うよ。
ただ、こういう井川さんという人は、観客としてみれば、滅法「面白い人」であるのもまた確かなんですよ。
上場企業の社長といっても、世間で名が知られているのは、京セラの稲盛和夫さんや任天堂の岩田聡社長など、ごくごく一部のカリスマだけですよね。
「ホリエモン」こと堀江貴文さんの名前は、経済になんて興味ない、という人にも知られています。
井川さんも「ああ、あのカジノで106億円負けた人か!」と、かなり認知されているのではないでしょうか。
しかし、そんなことで歴史に名前を遺すのが本意なのかな……「悪名もまた名なり」とは言うけれど。
誰それが逮捕された、とかいうのも、けっこうすぐに忘れられてしまうところはありますよね。
あまりに昔の罪のことばかり言われるようでも良くないのでしょうけど。



