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みんなもやってる「邪悪な笑い」

 簡単に「笑い」を得る2つ目の方法は、子どもだってできる方法です。誰か自分より弱い者をおとしめて、みんなでからかうのです。

 こうして文字にするだけでイヤ〜な「邪気」が立ちこめてしまいました。

 そちらにも届いていたらゴメンナサイ。これは「邪悪な笑い」と言えます。

 しかし、結構ちまたでも「プチ邪悪な笑い」って横行しているように思います。

 例えば、友だちの女の子がちょっと奇抜なヘアスタイルにしました。彼女なりに思うところあって、あえて奇抜なヘアスタイルを選んだのですが、奇抜ゆえにツッこみどころもいっぱいです。そこですかさず「あれ? わかめちゃん?」と誰かがツッこむと、フロアにどっと笑いが巻き起こります。

 みんなに笑われたとしても、大概の大人は、そういうことにいちいち腹を立てていてもしょうがないことを知っているので、「そう、似合うでしょ」と軽く受け流すでしょうが、内心は超ムカかついているかもしれません。しかし、ツッこんだ本人は悪気がないどころか、「よっしゃ! 今日もウケた」と調子に乗って、次なる獲物を探しはじめます。

 さあ、胸に手を当てて考えてみましょう。あるんじゃないですか〜、みなさんにも? 誰かをネタにして「笑い」をとって、いい気になっちゃったことが。

 それだって、立派な「邪悪な笑い」です。

「邪悪な笑い」では、笑われた人はもちろん不快になりますし、笑われた人と笑った人たちの距離が縮まることもありません。

 笑った人たち同士では仲間意識が芽生えるような気もしますが、それは笑っている数秒の間だけ。笑い終わった瞬間に、「自分が次の餌食にならないように気をつけよう」と、お互いに警戒心を強めることになります。

 他人をネタにして「笑い」をとったところで、本当に目指したい、「心地良い人間関係」につながるような効果はまるでありませんね。

 それでは、「笑わせ力」も使わず、「邪悪な笑い」に頼ることもなく、私たちが追い求めるべき「温かい笑い」を得るためにはどうすればいいのでしょうか?

※拙著『笑われ力』(ポプラ社、2008年)より

【笑われ力】

「心地良い人間関係」に「笑い」が不可欠なのは言うまでもないでしょう。しかし、笑わせようと意識すればするほど、スベりやすくなるものです。まして、人をバカにして笑っても「心地良い人間関係」は生まれません。そこで「笑われ力」の登場です。

笑わせようとするのではなく、笑われる意識、人をネタにするのではなく、自分をネタにするスタンスです。お笑い芸人のような爆発的な「笑い」が笑わせることを目的にしているのに対し、「笑われ力」が生む「笑い」は「心地良い人間関係」を築くためのプロセスに過ぎません。大爆笑は不要です。自然で心地良い「笑い」をプロデュースする方法です。

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