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首相の解散権縛るべき 民進党大島敦幹事長

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大島:かつての自民党は非常に良い政党だった。竹下登さんは消費税を全ての自分の政治的資産を使い切って導入していくわけです。次の土井たか子さんに敗退しても、今の消費税というものを残した。与党の矜持というのはこういうものだと思う。今の政府与党は政治の矜持をもってない。

細川:安保法制の時は安倍さん、信念で通したと思う。安倍さんは、やっぱり外交防衛関係、憲法に対する思いは強い信念、ぶれない。しかし、こと経済になると、ボロボロだと思っています。全くわかってない。だから野党は攻めどころだと思う。例えば幼児教育無償化されても、子供を育てているとその先の方がお金かかって大変なんです。無償化すると言ってもただの経済援助じゃダメで、無償化と義務教育というのは本来セットでなくてはいけなくて、国が面倒みますという事はどのような支援の内容にするのか具体的議論は何もなく、ただ主婦に受けようという非常な場当たり的な政策だと思う。

民進党のオールフォーオールがすべて良いかは別として、やはり経済成長、成長戦略でやっていく社会ではなかなか厳しいと。国家がある程度保障すべきところは保障していく、という考えが前原さんの代表選挙ではあったわけですから、あれを前面に出すことによって安倍政権のボロが出るんじゃないかと思う。野党としての攻め方が非常に重要だなと思っていて、幼児教育にせよ、消費税の使い道の変更にせよ、小池さんのことを数合わせだと批判する資格がある政権なのか、と思います。

大島:ありがとうございます。1つ防衛安保の基本は何かというと経済力だと思うんです。皆さん円安になって貿易ができてよかったよかったと言いますが、日本の経済は円安によって小さくなってしまった。外交防衛の基本は経済力なわけですよ。

ですから、バブルが弾けた直後の橋本内閣の時にロシアのエリツィン大統領が来て、北方領土の問題、一瞬解決しそうになったというのを覚えていらっしゃいますか。当時のロシアは経済力が弱くて、日本がしっかりとした経済力を持っていたから、外交が成り立ったわけです。だから、外交安保の基本が経済力にあると言うことをしっかり認識して何を優先するのかというところですよ。

私も日本の理化学研究所さん含めほとんどの研究所のいろいろな研究者と会って話していますが、もうボロボロです、日本の基礎研究は。これを取り戻すのは10年20年かかる。ですからそういうところをしっかり手当てしながら、10年後、20年後に備える、そういうことがで必要です。幼児教育についても哲学が必要なんですよ。今の地域社会を誰が支えているか見ると、70歳代の方達。70歳代の方達で、皆さん厚生年金あるいは共済年金をしっかりかけていて、自治会長、民生委員、交通指導員などやられている。つまり公が支えているのが日本の社会。これは自己責任社会だった。今までは。貯金をし結婚し家を建てる、子育てが終わった後は貯金をして老後に備えるという、貯金を前提とした自己責任の社会、それは高度成長期で経済が成長してきたから貯金ができた時期。

だけど細川さんの世代よりも下の世代は貯金できない。この世代が今後どうやって過ごすのかと言った時にオールフォーオールです。みんなの善はみんなのためにという考え方でお互いに支えあう社会を作らないと、日本がもたないなということを思っていて、10年後に備えて私たちは1つの信念、考え方を持って完全自己責任社会から成長しない中で安定的にお互いに支え合える仕組みを作ろうというのが私たちの考え方です。安倍さんも唐突に(消費増税)2%の使い方を変えるというのは、私たちの考え方を理解していただいたのかなあと思うわけです。今の与党も私たちの考え方を理解して、哲学は無いけれども、そこの部分だけちょっとパクっちゃったのかなあとて思っています。

細川:これから民進党が政策を出していくと思うんですが、根本的な社会保障のあり方で、安倍政権は今の制度の枠組みの中でちょこっとこっちのお金をこっちに使いますよ、それいいですかって言っているようなものです。だけどそれは選挙を乗り切るためだけで、将来には何の役にも立たないわけです。そういうところを根本的な政策として出してもらいたいなと思うし、それが大きな選択肢になると思います。

大島:今の選挙より10年後の日本を考えると言うのが私たちの政策ですが、こういうのは選挙の時にはなかなか理解が進まない。私としては年内いっぱい議論を深め、来年1年間で給付と負担、例えば学校給食も無償化すると5,000億円ぐらいかかるんだけども、いろんなメニューの中で手当てしていきましょうという議論を国民の皆さんと会話したかったわけです。そのことによって税の理解を深めたいなと思っていた。ただ今回は唐突な解散なので、私たちもその議論は選挙を通じて短時間ですけども深めていきたいなと思っています。

細川: 蓮舫さんは、鞍替えするという話だったと思いますが、どうなったんでしょうか。ある意味目玉にはなると思うんですが。

大島:本人が代表を辞任するときに、衆議院から出ることもリセットしたと言う事ですので、今のところ出るという事は聞いていません。

大島:憲法の話ですが、なんでみんな忖度するのかというところを考えてみたいと思います。政治改革をやって、小選挙区制、政党助成金が生まれ、政治が草食化した。政党助成金は、ありがたいお金なんだけれど、本来は公費で運営しないほうがいいが、政治とカネの問題があったので、それを切るためにまずは導入されました。

党代表が、政党助成金を誰に配り、小選挙区制で誰を候補者にするかという権利を持ったわけです。これは党の最高トップがものすごい権力を持ったと言うこと。その次に、省庁再編で内閣府官邸機能強化をやった。私も内閣府副大臣で全部の省庁の企画と調整の権力をもったわけです。内閣府は、地味なんだけれど、権力を持っている。その次に、私たちも賛成しましたが、公務員制度改革で内閣人事局を作った。サラリーマンにとっては会社の中でお金と人事を持っている人が一番強いんですよ。

今の首相の権限はこの20年間でものすごく強くなった。アメリカは法律作るのは議会で、予算作るのも議会だから、意外と大統領は権限がなく、最高の権限は軍を動かせるということ。それ以外はそんなにない。ですから今、日本のみんなが忖度するという政治を考えると、立法府の権能を上げないといけない。私たちとしては、首相の解散権を縛ろうと。イギリスも2011年、6年前に縛りました。ドイツはワイマール憲法下に置いて何回も解散していたら、ヒトラーが台頭し、戦後のドイツ基本法は解散権を縛っています。各国ごとに解散権を縛るのが今の傾向、主流です。

細川:圧倒的に少ないですよね。日本のように自由に解散できてしまう国は。

大島:4年解散がないとなったら、立法府は落ち着いて、良い議論ができるわけです。今は、衆議院はいつ解散するかというのを念頭に置きながら走っている。首相もいつ解散したら得かと考えて、解散をするとこういうことになってしまう。だからこれからは与党の皆さんも賛同いただいて、与党も野党も、立法府に属する私たちは、政府の権力をしっかり封じ込める、押さえ込んで国民の権利を守る基本的人権を守るというのが、与党野党問わず、立法府の私たちの仕事だと思うので、(解散権を縛り、立法府)の強化が必要だなと思います。

細川:憲法改正が必要ですか。

大島: 7条解散、学者の中では違憲だという意見もありますが、憲法を改正することによって首相の解散権を縛るという議論を党内で始めているところです。意外と党内の賛同が得られそう。

細川:選挙でも出しますか。

大島:選挙でも議論して、基本政策として出したいと考えています。

細川:それを選挙演説で言うだけでもインパクトありますね。

(このインタビューは2017年9月26日に行われたものです)

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