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「もう"日本死ね!"と言わせない」保活支援サイトが登場 「負担ゼロで誰もが保育園に入れる社会へ」

今年4月1日時点の全国の待機児童の数は2万6000人あまり。都市部を中心に認可保育園の定員不足は深刻で、子どもを入園させるための「保活」が激しさを増している。

保活で親を悩ませるのは、入園の申請に必要な書類や選考基準が自治体によって異なることだ。自治体がホームページ上で公開する案内は数十ページに及び、親は仕事や育児をしながらそれらを理解しなければならず、負担が大きい。

そうした中、日本初となる保活支援ウェブサービス「EQG(イーキュージー)」が9月にリリースされた。ユーザーは保活を行う市区町村を登録。対象地区内にある保育園が検索したり、入園手続きに必要な書類を確認したりできる。

認可保育園の入園に必要なToDoリストが表示され、何をすればいいかがわかる

保活の負担は以前から問題になっていた。厚生労働省が2016年に発表した「保活の実態に関する調査」では、「保活のどのような点に苦労や負担を感じたか」の問いに対して、「市役所などを何度も訪問」「情報収集」の回答が多かった。

入園に関する案内書には小さい文字で大量の注意書きがあるほか、保育園の入りやすさを示す「指数」の計算方法も自治体によって違うため理解するのは容易ではない。

EQGは神奈川県相模原市に本社があるIT企業フォーポイントが開発した。使い方はシンプルだ。まずユーザー登録を行い、保活を行う市区町村を選択する。

「ひとり親世帯か」「自宅または自宅隣接地で子どもを見ながら就労や介護をしているか」「夫婦がフルタイム勤務か」「保護者を除く同居の親族に保育に当たれる人がいるか」などの質問に答えると、認可保育園の応募に必要なToDoリストが出る。さらに「指数」も算出され、「どれくらい保育園に子どもを入れやすい状況にあるのか」がわかる。

todoリストサンプル(フォーポイントより提供)
todoリストサンプル(フォーポイントより提供)

サービス名のEQGは「育児」をもじったものだという。キャリコネニュースは、同社代表取締役社長の中村裕さんに開発の経緯を聞いた。

きっかけは姉の保活「IT化によって問題点を解決したい」

中村さんは開発のきっかけを「姉の保活を手伝ったことです」と話す。産後の体調管理や育児などで忙しかったお姉さんに代わり、中村さんは主に書類準備を担当したが、手続きの分かりにくさに驚き、保活を支援するサービスの必要性を感じたという。

「自治体から配布される保育園入園に関する資料は50ページほどもある上、細かい字で書かれた『◯◯の場合のみ加点する』といった注意書きも多数存在し、全て理解するのは難しいと感じました。書類について自治体に問い合わせても、『これは◯◯課に問い合わせてください』とたらい回しにされることもありました。

申請方法や選考基準も自治体ごとで異なり、情報がまとまっている便利なサイトを探しましたが、見つけることはできませんでした。こうした中で、保育園の検索や指数などの情報を見える化するサイトがあれば保活の問題点を解決できると確信しました」

保育園にまつわる制度が自治体によって違うため、「一つの自治体の情報をまとめるのに6-7時間ほどかかりました」と振り返る。しかしそれでも、「小さな字で書かれた多くの注意書きや理解しにくい文章を、分かりやすくして提供することにEQGの価値がある」と力説。「23区や政令指定都市から順に対象地域を拡大させていきます」と、サービス対象地域拡大への意欲を示した。

筆者(編集部S)は、実際にEQGを使ってみた。住んでいる相模原市は残念ながらサービス対象外なので、保活対象地区を東京都港区と仮定した。わかりやすくまとめられた状態でも質問数は136に及び、保活の苦労を実感した。

港区質問ページ
港区質問ページ

「EQGを自治体公認のサービスにすることがゴール」

中村さんによれば、それでも「今のところ、(EQG上で質問が)100を切る自治体はない」という。そのため、「今後は20~30ほどに少なくしていきたい」と、使いやすさに向けた意気込みを語った。

「保活の知識を掲載するサイトやアプリは既に存在しますが、『情報収集』『保育園の見学や下見』『保育園の入園申し込み手続き』の全てを網羅したサービスはEQGが日本初だと思われます。本サービスを自治体公認の保活支援サービスとしてもらい、保活の負担を軽くしていくことが私たちのゴールです」

過熱する保活に頭を抱える親が増える中、助けとなるサービスの向上にますます期待がかかる。

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