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動きの鈍いマードック陣営に対し,動きの速いグーグル陣営

 WSJなどの有力新聞を傘下に置くNews Corpのオーナーであるマードック氏は,新聞サイトの有料化を新聞各社に呼びかけている。同時に,新聞サイトのコンテンツを勝手にアグリゲートしているとして,グーグル包囲網も築こうとしている。

 米国の新聞社は,これといった打開策を見いだせずに経営危機に陥っているだけに,マードックの提案する新聞社サイトの有料化やグーグル封鎖を検討している。非常にリスキーな提案だが,みんなで渡れば怖くないと,いったところか。

 ところが現実には,先頭を切ってリスキーな橋を渡りなくないのが本音である。有料化計画を漏らした新聞サイトも,ほとんどがまだ実施していない。また,グーグルサーチで検索させない措置などは比較的容易に実施できそうなのに,どこも動いていない。

 まずWSJが,グーグルに対して何も手を打っていない。先ほどアップしたトップニュースの記事“Citi, Wells to Repay Bailouts”も,Google NewsでCitiで検索すると,以下のように一番目に掲載された。 


*WSJのトップニュース(2009年12月15日12時:日本時間)
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*Google Newsの検索結果(Citiで検索)
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 マードックのグーグル封鎖には,MediaNewsやBeloも同調すると手を上げている。そこで,MediaNews GroupThe Denver Postをチェックしてみた。今日のトップ記事Villafuerte withdraws as U.S. attorney nominee(Denver Post)は,以下のようにグーグルの検索エンジンでインデックス化されていた。

*The Denver Postのトップ記事(日本時間12月15日)
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*グーグルサーチで検索結果
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 米国の新聞サイトは,日本の新聞サイトと違って,検索エンジン経由のトラフィックの依存度が高いだけに,グーグル封鎖に足踏みするのは当然である。

 マードック陣営がもたついている間に,グーグルは米国の有力新聞のNYタイムズ(NYT)とワシントンポスト(WaPo)と組んで,Google Living Storiesプロジェクトに着手した(このプロジェクトについては、こちらで)。

 あたかもNYTやWaPoは,マードック陣営に入らず,グーグルと仲良く手を組んでいく道を選んだように見える。グーグルとしては,こうした協調的な新聞社に対して,できる限り多くのトラフィックを誘導させたい。

 今回の Living Storiesプロジェクトでも,早々とGoogle News(U.S.版)のTop Storiesの枠内から,Living Stories(トピックス)記事へのリンクが張られていた。

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 Google NewsのTop Storiesは多くのユーザーが目にする場所である。そこにLiving Storiesへのリンクを常設しているのだ。Google Newsをカスタマイズしている場合は,以下のようにLiving Storiesへのリンクが張られていた。Living Storiesページを介して,NYTやWaPoのサイトにトラフィックを誘導していく。

画像を見る

 

◇参考
マードックがグーグルに禁じ手を使うのか,WSJなどのニューズ社の全コンテンツが検索不能になるかも(メディア・パブ)
マードックのグーグル封鎖,MediaNewsやBeloも呼応(メディア・パブ)
グーグルが米有力新聞NYT/WaPoと始める「将来のニュース」プロジェクトとは(メディア・パブ)

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