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エレガントなアップルと牙をむくアップル

アップルは、世界で今もっとも旬で元気な会社かもしれません。iPhoneやiPadで勢いに乗り、1〜3月期の決算は、なんと46%の売上増、90%増益となったことを先日取り上げました。

それとともに熱いアップル・ファンも増えてきています。アップルは、製品については、コンセプトも、デザインも、あるいはユーザーインターフェイスについても、革新的であり、洗練されているのは事実です。しかし、気をつけなければならないのは、そういったある意味でエレガントな製品やサービスの裏に、きわめて強硬で、タフな本性が見え隠れしているということです。

アマゾンに遅れをとった電子書籍でも、価格決定権を握ろうとするアマゾンに対して、出版社に価格の決定権を渡し、アップルでアマゾンよりは高い価格で書籍取り扱いをはじめたのもつかの間、価格の引き下げ交渉にはいるといった駆け引きと、交渉力を持っているのがスティーブ・ジョブスです。このあたりは佐々木俊尚さんの『電子書籍の衝撃』に詳しく書かれています。

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著者:佐々木 俊尚
販売元:ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2010-04-15
おすすめ度:画像を見る
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iPhoneやiPadのアプリの販売も、APPストアでしか許さず、販売の主導権を握っています。しかも、一度アップルの審査を通ったアプリが、突然「エロ」だと判断して大量削除するということが起こりました。おそらくCnetの記事で、書かれているように、イスラム圏や子供市場開拓にマイナスになることは有無をいわさず排除したのだと思います。
エロよさらば -Appleの選択-

そのアップルが、日本でのネット通販について規制をはじめたようです。こちらもCnetの記事で分かったことですが、大手量販のネットサイトでは、アップルの製品を売らせず、店頭販売にのみ限定するという動きです。それを裏付けるように、ヨドバシ・カメラでアップル製品については、次のように書かれています。
■アップル製品のお取り扱いについて
この商品は、アップル社の意向によりヨドバシ・ドット・コムを含む通信販売が行えなくなりました。アップル製品につきましては、ヨドバシカメラ各店舗でのお渡しとなりますので、「店舗受け取り」でのご注文をご利用ください。

楽天に出店している小さなお店からは買えるようですが、いずれ規制されるのではないでしょうか。

アップル製品のネット販売が軒並み終了--「アップル社の意向」とヨドバシカメラ

APPストアでの直接販売を伸ばす、そちらのほうが利益が取れるということだと思います。だから大手量販のネット販売を制限し、日本でのアップル製品のネット販売は、独占するということでしょう。
しかし、整合性がとれていないのは、アマゾンには制限をかけていないことです。米国でそれをすれば問題になるからに違いありません。日本の小売り業の足下を見た動きです。

エレガントなアップルと、自らのの利益にならないことは強硬に排除するアップル。アップルはこの二つの顔というか頭をあわせもったギリシャ神話にでてくるヤヌスの神みたいな企業だということです。いやはや怖い企業だとつくづく感じます。

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