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検察審査会が不起訴相当決議 問題の本質は警視庁本部中村格刑事部長(当時)の背後関係にあり

山口敬之氏に対する検察による不起訴処分に対して、検察審査会は不起訴相当の議決をしました。

「不起訴相当」検察審が議決 元記者の準強姦疑惑」(朝日新聞2017年9月23日)
「ジャーナリストの詩織さん(28)=姓は非公表=から準強姦(ごうかん)容疑で告訴された元TBS記者の男性ジャーナリスト(51)に対する東京地検の不起訴(嫌疑不十分)処分について、東京第六検察審査会は22日、「不起訴相当」とする議決を公表した。議決は21日付。詩織さんが5月に審査を申し立てていた。議決書は「不起訴記録及び申立人(詩織さん)の提出資料を精査し、慎重に審査したが、不起訴処分の裁定を覆すに足りる理由がない」としている。」

 検察審査会の審査に不可解な点もあるようですが、それについての是非はここで論じるものではありません。
 これは、検察審査会の結論が間違っているということにあるのではなく、逮捕状まで発布されていながら、警察がそれを執行しなかったということがこの問題の本質です。

 検察審査会では、検察官手持ちの証拠関係書類を精査し、その不起訴処分という判断が相当かどうかを判断するものですが、この検察審査会は、実は政治的な影響も受けるといういわく付きの制度です。検察官の判断の相当性を審査するのですが、裁判員制度の実施と同時期に検察審査会に強制起訴制度が導入されました。

それまでは検察官が検審の意見を参考にするという運用だったものを強制起訴制度にしてしまったのです。
この強制起訴制度は無罪率が極めて高いことでも知られており、制度としての問題が浮き彫りになっていますし、一番、政治的な判断をしたということで有名なのは小沢一郎氏(当時、民主党幹事長)への強制起訴決議です。

 これは当時の民主党政権にとっても多大な影響を与えておきながら、結果は「無罪」というお粗末なものでした。強制起訴に至った事情に非常に大きな問題がありました。
小沢氏の強制起訴と吉田繁実氏
東京弁護士会の前会長斎藤義房氏の疑惑 自ら弁明せよ

 こういった検察審査会の問題点はさておき、普通は検察官が不起訴相当とした事件を覆して強制起訴し、それを有罪にまで持って行くのは至難の業とされています。
 もっとも検察も政権の意向を忖度するお役所として知られており、森友学園疑惑では、国策捜査に邁進中です。

 なので、検察が政権の意向をこの事件でも忖度しているかどうかも問題にはなり得ますが、この事件では、はっきりと警視庁本部の中村格刑事部が逮捕を止めたとされていますから、検察の問題というよりは、警察段階の捜査の問題です。つまり、警察段階での捜査が尽くされていたのかどうかということです。

 捜査が尽くされないまま、要は集めるべき証拠が集められないまま検察官に送致されたとしても検察官としては不起訴処分にせざるを得ませんし、検審も同様に不起訴相当ということになります。

 逮捕の要件が整っているにも関わらず、逮捕しないということが通常の捜査からは異常なのです。

参照 いずれも若狭勝氏の見解ですが、非常に参考になります。
警視庁本部 中村格刑事部長(当時)の暴挙と法治主義
若狭氏「疑惑解明を!」元TBS記者准強姦疑惑

何故、強制捜査を妨害したのかが問われている

手錠強制捜査警察

 強制捜査を見送ったことによる証拠収集がどのような結末となったのか、ここが問われているわけです。もとより身柄を拘束し、自供させるということではありません。それこそ対象となっているのが自称ジャーナリストですから、自白の無理強いなどしたら、それこそすぐに叩かれてしまいます。

 とはいえ身柄拘束されているかどうかで被疑者の弁明には差が出てくるであろうことは容易に想像がつくであろうし(捜査機関として、客観的証拠に矛盾しないように供述を誘導したりすることによって完璧な弁明調書に仕上げることも一般論としては可能です。強制捜査かどうかというよりも捜査機関の姿勢によりますが、強制捜査をするかどうかは、その姿勢と表裏です。)、若狭氏の指摘のように被疑者の知人の証言にも影響があるという一般論についても同様です。

 集まるべき証拠が集まっていない、それは警視庁が政治的に動いたからではないか、そのような疑惑があるわけです。

 まずは、この中村各氏だけでなく警視庁が説明責任を負っているものです。
山口敬之氏の不起訴問題 警察こそが説明責任を果たすべき

 従って、この問題は終わってはいません。刑事事件としての問題というよりは、政治問題なのです。

 ところで、山口氏はこれで濡れ衣は晴れた、一部報道に対して名誉毀損で訴えたいと言っているそうです。
 この問題は疑わしきは罰せずという刑事事件の大原則があり、有罪立証がなされない限りは無罪ということにはなりますが、とはいえ、この証拠に基づけば有罪ではないかという批判はあり得るものです。

もとより公職かどうかで実名報道も可能かどうかに差が出てくるところではありますが、今回の警視庁による事件介入に政治的背景の有無が問われていること、安倍総理に取り入って名を売っていたという関係からも山口氏は全くの一私人とも言えません。

 もともとの発端は、山口氏が就職問題に絡む人としてやってはいけないことをしたことにあります。その意味では大きな顔をして名誉毀損だなどと言う資格はありません。
 ご自身のされたことを反省するならば、マスコミ等に噛みつくのはやめるべきでしょう。

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