記事

福島原発事故刑事訴訟への「印象操作」払拭するパワポ公開(明石昇二郎)

9月2日、東京・芝浦の田町交通ビルで「東電元幹部刑事裁判が始まった! 9・2東京集会」が開かれた。

福島原発刑事訴訟支援団と福島原発告訴団が共同で主催したこの日の集会の最大の目的は、報道やネットを通じて再三流される「津波は防げなかったのだから、罪には問えない」「検察が起訴できなかったのに、有罪にできるわけがない」といった類いの「印象操作」を否定・払拭することだった。

集会では、同告訴団の弁護団を務める海渡雄一弁護士がパワーポイントを使い、6月30日に開かれた初公判で明らかになった事実を解説。2006年以降、東電社内では10メートルを超える大津波への対策が検討され、09年6月までにその対策を完了させる計画があった事実や、その後、この計画が先送りされて葬られた事実。

そして検察や政府事故調査委員会はこうした事実を把握していながら隠蔽し、不起訴処分としていた事実などが紹介され、海渡弁護士は「このパワポのデータは皆と共有する。これを使って誰でも説明できるようになってほしい」と訴えた(パワポのデータはURL https://shien-dan.org/20170902action-report/で公開中)。

同告訴団の刑事告訴が東京地検で不起訴処分とされた際、同告訴団側は担当検事から「防潮堤は南側だけに作る計画で、たとえ作っていたとしても事故は防げなかった」「防潮堤の完成予想図もなかった」などと説明されていた。

だが初公判では、原発の敷地を取り囲む防潮堤の立体図が登場。検事の説明が虚偽だったことが判明している。ここにきて同原発事故は「捜査結果隠蔽事件」の様相を呈してきた(この隠蔽についての詳細は海渡氏らの共著『強制起訴 あばかれた東電元最高幹部の罪』〈Kindle版・金曜日〉参照のこと)。

(明石昇二郎・ルポライター、9月8日号)

あわせて読みたい

「原発」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    一橋卒が年収300万円稼げない訳

    ニャート

  2. 2

    「安倍やめろ」が自民圧勝に貢献

    かさこ

  3. 3

    ジャニ圧力は弱腰テレビ局の忖度

    渡邉裕二

  4. 4

    人気店の予約が取れないカラクリ

    内藤忍

  5. 5

    元駐日大使「責任は韓国政府に」

    文春オンライン

  6. 6

    山本太郎氏が社民党に引導渡す日

    やまもといちろう

  7. 7

    徴用工仲裁手続きから逃げる韓国

    緒方 林太郎

  8. 8

    派遣の時給上げ施策 実態と乖離

    佐々木康彦 / ITmedia オルタナティブ・ブログ

  9. 9

    LIXIL社長 論点すり替えで復権

    大関暁夫

  10. 10

    輸出規制めぐり文在寅氏に焦りか

    AbemaTIMES

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。