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牛丼、なにのための値下げ戦争?

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やはり、生死を賭けたマーケットでの攻防がはじまると世間の注目はあつまります。ましてデフレ化のなかでの値下げ競争は格好の話題となります。しかし、利益なき不毛な競争は、弁当の値下げ戦争と重なって見えてしまいます。

冷静に眺めてみると、牛丼という外食産業は、もはやブームが去って、客離れが少しづつ起こってきている兆候が見えます。既存店で売上が落ちてきて、新店を増やしてかろうじて売上を伸ばすというステージに入ってきていることが、各社の月次情報から見えてきます。

しかも、良好な立地を確保しようとすると、そこにはかならずといっていいほど競争相手がいて、ライバルの存在が障害となりますす。だから、ライバルを叩こうという流れになるのは当然といえば当然でしょう。

値下げ競争は、昨年の四月に「すき家」がしかけたのですが、五月に既存店の客数はかろうじて対前年をクリアしただけで、その他の月は、客数も、客単価も、売上高も前年割れが続いています。新店を増やして売上を増やしているだけです。昨年末から始まった値下げ効果はまだわかりませんが、あまりいい結果にならないような気がします。

「すき家」は、牛肉輸入のプロフェッショナルであるマザーランドファームの岸本社長のブログによると、ミンチ用又はハンバーグパティー加工用のオストラリア産派材肉を使っているそうですが、豪州ドルがじわじわと上がりはじめてきておりそれが誤算となり、想定以上の利益圧迫になるかもしれません。

「すき家」月次情報

同じ低価格戦略といっても、低価格を実現するビジネスの「しくみ」に支えられた展開と、ただ競争上値下げをするのでは大きく違います。つまり「理由あって安い」のと「たんに安い」の違いです。

どうもマスコミなどでは同じように取り上げてしまっているのですが、「しくみ」に支えられた低価格戦略は利益がでます。しかし、「しくみ」が進化せず、価格戦略だけに走ると、利益を落とし、消耗戦になってきます。

この違いは大きいのです。よく、ユニクロをデフレの元凶のように扱う人がいますが、とんでもないですね。縫製を日本でするというのは、今や、よほどの高級品でしか成り立ちません。これは世界の潮流です。

では、途上国の企業がユニクロと同じビジネスをやれるかというと、それはかなり難しいでしょう。原材料の調達から、企画、デザイン、物流、店舗オペレーション、またブランドにいたる「しくみ」は一朝一夕に真似できないからです。いま、ユニクロに限らず、まだマスコミにはほとんど登場してきていない勝ち組企業がありますが、それぞれ調べてみると、すべて独特のビジネスの「しくみ」を築いてきているところばかりです。

問題は、古い「しくみ」を残し、コスト削減、経費削減できないままに値段だけ下げるほうです。こちらは、利益がでません。弁当競争などもそれでしょうね。消耗戦のすえ、みんなが疲弊するだけです。

おそらく「すき家」はこう考えたのでしょう。「吉野家」の弱みは、米国産牛肉を使っているために、BSE問題で月齢20ヶ月未満の牛肉輸入が禁止されて以降、米国産牛肉が高騰しており、値下げ競争に持ち込めば、吉野家は対抗する術をもたない、今こそ、「吉野家」から客を奪う千載一遇のチャンスで、資金力勝負で価格競争に持ち込めばいいと。

結局は、同じ業界内で、同じような商品やサービスで競争を行い、激しい消耗戦をやっていると、やがて業界そのものの魅力が低下し、やがて衰退していきます。そんな例が日本は多すぎるのです。

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