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『O157:食中毒の原因は「トング」じゃない』

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 ではその無防備な消費者は、どうやって自分自身やご家族をこの恐ろしい微生物による食中毒から守るのだろうか?筆者がお薦めしたいことは、購入する当該食品の最終製造責任者(個包装の加工食品なら食品メーカー、惣菜類なら販売店舗、外食なら最終店舗/セントラルキッチンなど)が、上述のようなHACCPシステムを導入しているかどうか、事業者のホームページやお客様相談室への電話で確認することだ(できれば国際的食品安全規格の第三者認証を受けたもの:海外規格ならGFSIが承認したFSSC22000、SQF、Global GAPなど; 国内ならJFS、J-GAPなど)もちろん食中毒リスクが完全にゼロになることはないが、食中毒予防の三原則は病原体を「つけない」「増やさない」「やっつける」の3つなので、食中毒微生物を確実に「やっつける」殺菌工程(加熱もしくは殺菌水による洗浄等)と「増やさない」コールドチェーンが製造流通管理システムに入っていれば、食中毒リスクは限りなくゼロに近づく=「安全」と判断してよいはずだ。

 ただ消費者が知っておくべきこととして、食品事業者がいくら食中毒リスクを限りなくゼロに近づけたとしても、食品を購入した後のリスク管理は消費者にゆだねられ、消費期限や保存方法(常温?冷蔵?冷凍?)、調理方法、調理器具/容器の洗浄方法、台所を清潔に保つこと等をきちんと守ることで、初めて食中毒の予防ができるということを忘れてはならない。すなわち、フードチェーンの最終ポイントである消費者自身もHACCPシステムの中にいて、食品中の残存リスクを管理していると意識することが重要だ。消費者が注意すべき食品衛生のポイントを東京都がわかりやすくまとめているので、以下をご参照いただきたい:

◎シリーズ「くらしに役立つ食品衛生情報」(東京都福祉保健局)
 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/rensai/guideschedule.html

 以上、今回のブログではいまだ原因が特定されていないO157による食中毒事故のポイントについて解説しました。今回のような不幸な食中毒事故を根絶するためには、食品事業者が皆で知恵を絞ってリスク低減策に真剣に取り組まないといけません。SFSSでは、食の安全・安心に関わるリスクコミュニケーションについて情報発信を継続しており、食のリスクアナリシス全般に関する学術啓発イベントも随時実施しております:

◎食のリスクコミュニケーション・フォーラム2017 (4回シリーズ)
 第4回『食品添加物のリスクを議論する』(10/22) @東大農学部

 http://www.nposfss.com/riscom2017/index.html

◎SFSS食の安全と安心フォーラム第13回 (7/30)開催速報
 食物アレルギーのリスク管理と低減化策に関するフォーラムⅢ

 http://www.nposfss.com/cat9/forum13.html

 また、弊会の「食の安全・安心」に関する事業活動に参加したい方はSFSS入会をご検討ください(正会員に入会いただくと、有料フォーラムの参加費が1年間無料となります)。来年2018年度からの入会でも結構ですので、ご検討ください。

◎SFSS正会員、賛助会員の募集について
 http://www.nposfss.com/sfss.html

(文責:ドクターK こと 山崎 毅)

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