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選択的夫婦別姓が実現しないと事実婚が増え、婚姻制度が形骸化していく。

これまで夫婦別姓の議論には賛否両論さまざまな意見が出てきています。たとえば2015年12月に最高裁では「夫婦は同姓」と定めた民法の規定について合憲と判断しました。ただ、判決では女性の不利益も認め、選択的夫婦別姓を含めた議論を国会に促しています。

今回は選択的夫婦別姓制度の導入を求め、2015年にインターネット署名『名前を変えずに結婚したい!~LOVE MY NAME 選択的夫婦別姓制度の実現を~』を呼び掛けた小路雅代さんにご自身の経験を通じて見えてきた別姓問題の現状についてお聞きしました。

小路さんは選択的夫婦別姓の実現を望み、2015年の最高裁の憲法判断に期待を寄せた、多くの女性の中の1人です。結婚したい相手がいるのに互いに姓は変えたくないという、まさに当事者でした。自分にも何かできることはないかと、勝手連として賛同者2万人超えのネット署名を集め、最高裁に提出しましたが、憲法判断は残念なものとなりました。

その後、2016年4月に小さな結婚式を挙げ、ひとまず事実婚で落ち着きました。改姓を避けるためのやむをえない選択でしたが、とても楽しい結婚生活をおくっています。法律婚を選択しないという方法で、小路さんはこの問題に日々苦しむ当事者ではなくなりました。

そこで小路さんは別姓反対が実質的に事実婚を後押ししているということに気が付きます。別姓反対は図らずも婚姻制度を形骸化させる方向に作用していたのです。経済的に自立する女性が増えるなか、法律婚が改姓を強制する限り、小路さんのようにやむをえず事実婚を解決策とする人たちは、今後も増えていくと思います。

では、別姓で結婚できる制度がなくて一番困っている人は誰か?それは、事実婚を選べない、選ばなかった人達だと小路さんは言います。姓を変えずに結婚したいけれど、事実婚では双方の両親に祝福してもらえず、結婚式すらあげられないカップル。親、先祖から受け継いだ旧姓を守るため、子どもの1人に継いで欲しいと願う母親。そしてその気持ちを嬉しく思うも、苦しむ娘を案ずる父親。ある意味保守的な価値観を大切にしている人たちが、もっとも苦しい思いをしているのです。

選択的夫婦別姓は若い世代向けの政策として必須

次にNHKの「夫婦別姓に関する世論調査(2015年11月)」の結果では、夫婦は「同じ名字を名乗るべき」は50%、「同姓・別姓 選択できるように」は46%で別姓反対派が少し多いようです。ただ、年代別に見てみると70代以上の約7割が選択的夫婦別姓を反対しているのに対して、20代~60代は賛成派のほうが多く、50代以下では賛成派が6割を超える結果となっています。

つまり結婚、再婚の当事者の年代では選択的夫婦別姓の賛成が反対を上回ります。これからの日本の将来を考えたときに、次世代向けの政策として、選択的夫婦別姓は若者を中心に多くの支持を集めるのではないでしょうか。

選択的夫婦別姓が、婚姻のハードルを下げ、少子化対策になる

男女双方ともに改姓が困難な事情のあるカップルがいざ結婚を考えたとき、夫婦どちらかの改姓を強制する現在の婚姻制度は大きなハードルとなります。そのため、本来結婚を望んだカップルがそのタイミングで結婚できず、出産適齢期を過ぎてしまったり、また離婚後の再婚を望む方も多い中、離婚で旧姓に戻したので、再び改姓の必要がなければ再婚したいと思う人も増えています。

夫婦別姓という選択肢が無いことが、たくさんの人たちの人生に大きな影響を与えているのです。そして、小路さんはこのことがいずれ日本の社会に対して大きな影響を与えるのではないかと考えています。選択的夫婦別姓制度は婚姻のハードルを下げ、少子化を防ぐための一つの解決策になるのではないでしょうか。現在、婚姻において同姓が強制されているのは、先進国では日本だけであり、世界的にもインドのヒンズー教とジャマイカのみと言われています。

最後に小路さんも賛同者に名を連ねている「実家の名前を継承したい姉妹の会」(略称:姉妹の会)をご紹介します。姉妹の会では、実家の名前を継承するために夫婦別姓を望んでいる人々の声を国会議員に届ける活動をしていて、ウェブサイトでは当事者の声を集めています。

「ある意味保守的な価値観を大切にしている人たちが、もっとも苦しい思いをしている」と小路さんも述べているように、姉妹の会のサイトには切実な声がたくさん寄せられています。

そろそろ夫婦別姓制度の実現に向けて進み出しても良いのではないでしょうか。

「実家の名前を継承したい姉妹の会」

※Yahoo!ニュースからの転載

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