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Google Buzz がただの buzz で終わる(かも知れない)理由

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こんなお題を振られたので。

Google BuzzはTwitterキラーとなるか:CNET Japan オンラインパネルディスカッション - CNET Japan
GoogleがTwitterと同様のリアルタイムコミュニケーションサービスを開始した意図、そしてGoogle Buzzの成功の見通しについて、パネリストの皆さんの意見を聞かせてください。読者の皆様もぜひコメント欄でご参加ください。


最初に結論を言ってしまうと、Google Buzz は Twitter キラーではない。どころかこれで私は Google には Social Service は作れないと確信を持つことが出来た。

Google は Communication というものがわかっていないのだ。

その証拠が、ここにある。

Sergey BrinがGoogle Buzzを半年使った経験を語る(ビデオと記者会見記事)
“情報のS/N比を上げることがうちの強みの一つだ。検索でも毎日、それに努力している。個人のコミュニケーションも、今では検索なみのスケールに達しているから、やはりS/N比の向上が何よりも重要だ。”


ちがうんだよ Sergey.

Communication is not signal processing.

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dankogai: GoogleのSocial Serviceがイケてない理由がそれ。不快なSもあれば、無痛なNもある

もちろん Signal Processing は重要だ。「生の声」のS/N比は低すぎる。だから我々はWebがない頃から本を読み、新聞を読み、ラジオを聞き、TVを見て来た。足りないSをそれらで補完してきたわけだ。

そしてWebの登場により、声の絶対量のみならず、流速が格段に増えた結果、古典的な「濃縮手段」では間に合わなくなって来た。処理量はもとより、何より処理速度が。そこに登場したのが Google だった。己の価値がどこにあるのか彼らは実によくわかっている。

しかし無価値の価値を知るには、彼らはあまりに聡明すぎた。「S/N比を向上すれば、人生の価値(QOL)も向上する」というのは聡明な人がもっともよくする勘違いでもある。

404 Blog Not Found:大前研一はなぜ都知事になれなかったか?

しかし、彼には理解はとにかく体感は出来なかったようだ。パレートの法則は、「生み出さない8割を取り除いても」なお成り立つのだということを。そう。残った二割がまた二割と八割(取り除く前から見ると4%と16%)に分かれるだけなのだ。そして彼の指南する「勝ち方」は、残り八割について来れるものではないのだ。


なぜtwitterがあれほど心地よいか。

ノイズがあるからだ。

「○×なう」なんて、つぶやいた本人にすらノイズにすぎない。しかしノイズを流すことに寛容であることによって、シグナルなのかノイズなのか本人にもまだわかっていない「何か」をそこに書くことにも躊躇しなくなる。そのうちのいくつかは誰かにとってのシグナルとして扱われ、それがRTを通して共鳴することでシグナルは増幅される。

余談だが「Amebaなう」にはノイズしかない。よって論外。

そしてここがさらに重要なのだが、twitterのシグナルは自然減衰する。

twitterには、二つしか「掟」がない。一つは一つのつぶやきは140字以内であるということ。そしてもう一つは、つぶやきは時系列で表示されること。この二つはtwitter.com直であれ専用クライアントアプリを通してであれ変わらない。

シグナルの自然減衰は、この二つ目の掟による。SであれNであれ、Timelineの彼方へと消えていくのだ。

Google Buzzには、このtwitterをtwitterたらしめている「量の制約」と「時の流れる方向の絶対性」の二つが決定的に欠けている。だからSignalがものをいう社内連絡には最適でも、SなのかNなのか意識しないことが重要なつぶやきには不快で不適だ。

Google Buzzは、ビジネス用途としては大変結構なものだと思う。gmailの一機能として組み込んだことは大正解だ。業務連絡用のプラットフォームとして多いに受け入れられるのではないか。それだけで Google Buzz は成功だ。

しかしtwitterキラーを開発するのは、Googleには無理。そしてそれはtwitterのみならず、Webの世界にとってよいことなのではないか。

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