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建設、運送の働き方改革 発注者や荷主の協力あってこそ

建設業と運送業の「働き方改革」について政府は、長時間労働の是正に向けた指針を策定した。

ただでさえ、けがや事故の危険がつきまとう業種である。「安全第一」の労働環境の実現には、働く人が心身共に健康であることが大前提だ。政府は、関係する行政機関や業界団体に対し指針の周知に努めてほしい。

これに先だって政府は3月、残業の上限を「月100時間未満」とすることを柱とした働き方改革の実行計画を決定。次期臨時国会に関連法案を提出し、2019年度の施行をめざす。今回の指針は同計画に基づき設置された関係省庁連絡会議がまとめた。

実行計画では建設、運送の両業種について、ほかの業種よりも働き方が変則的であるため、残業時間の上限規制の適用を法施行から5年間猶予するとしている。

しかし、今年に入っても建設業従事者の過労自殺や過労運転による大型トラックの死傷事故などが起きている。猶予期間があろうと、できることから必要な対策を打つべきであり、その第一歩として今回の指針を評価したい。

指針の主な内容は▽建設事業者に対し、労働者が週休2日を確保できるよう適切な工期の設定を求める▽ドライバーに違法な長時間勤務をさせた運送事業者に対し、業務停止などの行政処分を強化する―などだ。

注目したいのは、こうした受注側の取り組みだけでなく、建設業界については工事発注業者に、運送業界では荷主企業に対しても協力を求めていることである。

なぜ発注側の取り組みが重要なのか。例えば建設業界の場合、工期の設定で主導権を握るのは発注業者だ。週休2日の確保などの働き方改革を受注側が進めるには、発注業者の理解と協力が欠かせないことは当然といえよう。この点、不動産や鉄道など主要な民間発注団体と、受注側の建設業団体、労働組合による政府の「協議会」が7月に設置された意義は大きい。

働き方改革による労働環境の改善は、建設、運送共通の悩みである人手不足の解消にもつながろう。関係者が協力する取り組みを、政府は一層後押しするべきである。

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