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本当に日本の解雇規制は緩いのか

モリタクがまた妙なことを言っている。もうこの人はほっといても良いのだけど、僕のことを意識した反論くさいし、何よりこういうのを野放しにするのはやっぱり教育上よろしくないと思うので、ここは一つ後輩として介錯してやろうと思う。

彼はOECDの雇用統計を元に、「日本の解雇規制は厳しくない」と述べる。確かに、このデータを見ると、ドイツやフランス、そしてオランダなどよりも日本のポイントは低く、ヨーロッパ諸国よりは解雇しやすいと思うかもしれない。

だが、この「雇用保護の厳格性」(Strictness of employment protection)を文字通りに受け取ってはならない。以前も述べたとおり、この数値は以下の3つの指標を総合したものだ。

1. 手続きの不便さ
2. 会社都合解雇の場合の告知期間と補償額
3. 解雇の難しさ

法律上は、一ヶ月前の告知で一か月分の賃金さえ払えばいつでも誰でも解雇可能となっているわけで、総合ランキングだと日本のポイントが低くなるのは当然だろう。だがそんな風に解雇される労働者は稀だ。要するに、判例によってそもそも解雇自体が認められにくい制度になっているので、2番が手厚くなっていないというだけの話だ。

よって、議論すべきは3番となる。ちなみに、この指標での日本の順位は、最新データである2008年度版ではOECD加盟30カ国中第一位。栄えある「先進国で一番正社員が解雇しにくい国」となっている。「日本の解雇規制は厳しくない」どころの話ではないのだ。※

さらに言えば、後半で森永はこうも続ける。

ところが現実には、中小企業や零細企業では、社長が「お前は気に入らないからクビ」ということが少なからずある。明らかに法律違反なのだが、実際に起きているのだ。

例によって例のごとく、日本型雇用の一階部分、大手の踏み台にされる中小企業を引き合いに出して、「正社員も苦しんでいる!」と言ってみせる。当たり前だろう。どんな制度であろうと、雇用調整はなされる。問題はそれが規制によって一部の下請け企業、特定の雇用形態の労働者に集中し、資源と人員の効率的な配分がなされていない点にあるのだ。

以上のような話は雇用問題を語る論者にとっては常識で、もっといえば、実社会で働いた経験のある人間なら肌で感じているに違いない。僕には森永が、こうした事実を理解していないとはどうしても思えない。

もしここを見ているテレビ局の人がいるなら、お願いしたいことがある。あなた方に公共心があるのなら、もうこの男は金輪際使わないで欲しい。どんなに我々が正論を吐いても、この男はお金儲けのために電波で嘘を撒き散らしてしまう。

獨協大も教育機関としての自覚があるなら、こんな嘘つきを教壇に立たせるべきではない。確かに、大学の名前を売ってはくれるはず。でもそれ以上に大切なものを、この男は売り叩いているのだから。

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