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映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』

明日から公開の映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』

の試写会にお呼ばれしていたので、簡単にレビュー。
労基法無視、低賃金低待遇の“ブラック会社”に勤めることになった若者の奮闘記である。

卒業してからこのかた、職歴のない主人公に二つ返事で内定をくれたのは、従業員数名の小さなIT企業だった。その数人の同僚というのがまたくせ者ぞろいだ。
怒鳴るしか芸のないリーダー、腰巾着、有能だがどこか陰のある男…。

もとは「電車男」同様、ネット発のストーリーらしいが、エンタメとしてソツなくまとまっている。個人的にはリーダー役の品川祐が存在感を出していたと思う。

(あれは演技ではなく地だろうが)いるよなあ、ああいうの、どの職場にも(笑)

ところで、そういう連中をなんとかまとめていくプロセスを見ていて気づいたのだが、こういう展開は実は東西問わず映画の王道なのではないか。
古くは『特攻大作戦』、『地獄の7人』なんかがそうで、はぐれものを集めて、
でもはぐれものだけにすんなり行くわけなくて、それでも一致団結してプロジェクトを進めていくという流れが共通している。
プロジェクトの舞台がアメリカの場合は戦争で、日本だと残業というわけだ。


「なんでそんなに残業するんだ、きついなら転職すればいいだろう」と健全な人権意識と労働市場を持つ自由主義国の人間なら思うだろうが、労働市場が硬直し、市場というより身分制に近い日本ではそうはいかない。
身分制だから、一度落ちてしまった人間は、努力してもなかなか挽回できない。
他に行く場所があったとしても、やはり同じ身分の同じ待遇である。

僕がこの映画で感心したのは、ちゃんと、その「どこにも逃げ場所が無い感」を描いていること。主人公は元ひきこもりで、ここ以外に採ってもらえないと分かっているし、リーダーでさえ、「IT業界というのはゼネコンみたいなピラミッド社会で、うちみたいな零細下請けは汚れ役」だという事実を理解している。

生死を賭けたシチュエーションが労働の現場で成立してしまう国と、とりあえずドンパチが舞台になってしまう国と、どちらが良いのかはわからないけど、とりあえず身分制が無くてドンパチも少ない国の方が幸せなのは間違いない。

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