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ニュークリア・シェアリングなど

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 「米・露・英・仏・中は特権を有し、インドやパキスタンにも核保有が許されているのに、何故北朝鮮には許されないのか」という問いに正面から答えるのは意外と難しいのではないでしょうか。

 自国の体制を守るために核を保有することは認められないというのは、答えになっているようでなってはいない。「人権を無視し、特異な独裁体制を持つ国の核保有は認められない」という他はないように思われますが、これも「では人権を尊重する民主主義国なら核保有は許されるのか」という問題にすぐ逢着してしまいます。

 だからこそ全面的な核保有禁止なのだということになるのでしょうが、そこに至る道筋は困難極まりないもので、唱えていればいつかは叶うというものではありません。どのように考えてみても「核を使用しても効果はなく所期の目的は達せられない」という拒否的抑止力(ディナイアル・ケーパビリティ)を高める他はないように思われます。

 弾道ミサイルが速度が遅く、姿勢制御も多弾頭化も困難で比較的脆弱な状態にある、ブースト段階(発射直後)での迎撃能力を追求することは一つの解となりうるものであり、急務でしょう。

 「脅威」とは能力と意図の掛け算の積なのであって、意図はともかく、能力を持ち、意思決定が迅速に可能な国は、北朝鮮に限らず我が国周辺に存在しています。意思を軽減するのが外交であり、その重要性は極めて高いものですが、それだけで安全保障は十分なのではありません。

 かつて日本の首相がソ連の中距離核ミサイルSS20を知らず、世界を驚かせたのは40年近くも前のことですが、「持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則に加えて「議論もせず」の四原則を、周辺情勢が激変した今もいまだに堅持することで平和が保たれると信じておられる方の多いことに改めて驚愕しています。いつまでもこんな思考不徹底の言論空間を続けている余裕など今の我が国にはないはずです。

 随分と以前に絶版になっているものと思いますが、「国家安全保障の政治経済学」(吉原恒雄・泰流社・1988年)は何度読み返しても新鮮な刺激を受ける本です。

 北朝鮮と米国については川上高司拓大教授のここ10年間の論考が、北の核政策については「不拡散における誘因の欠如 なぜ北朝鮮は非核化しなかったのか」(渡邊武・防衛研究所紀要2017年3月 ネットで検索可能)、核政策全般については「核神話の返上」(防衛システム研究所編纂・内外出版)が読みやすくて示唆に富みます。

 古典的・空想的な言論と、直接に取材もせず匿名座談会的な傾向の強い排外的な言論に取り囲まれている昨今ですが、異なる様々な立場から批判されることはむしろ良しとすべきなのでしょう。

 私自身、独善的になることのないよう、自重自戒して参ります。

 週末は、9日土曜日に全日本病院学会特別シンポジウム「明日の日本をデザインする」にパネラーとして参加いたします(午後4時・石川県立音楽堂・金沢市)。

 季節の変わり目、皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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