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“非モテ餓鬼道”

友達がほしいという毎度おなじみの愚痴

非モテは彼女ができても非モテ

 この手の“自称非モテ”の文章は、インターネット上にほとんど定期的にあがってくるが、一体全体、彼らはどういう状態まで辿り着いたら満足の境地に至るのか、本当にわからない。

 せっかく彼女ができたのに、そのことを喜ぶ前に「俺は青春がしたかったんだー」などという人は、おそらく、4年前に彼女が出来たんだとしても、それならそれなりに「俺は○○がしたかったんだー」と言っているだろうし、高校生や大学生の時に彼女が出来たなら出来たなりに「俺はもっとかわいい彼女と青春したかったんだー」などと言っているのが眼に浮かぶ。一歩前進した自分を評価するでも、彼女に感謝するでもなく、不満と不足を口にする人の欲求に際限があるとは思えない。

 また、オタクだと自認し、なおかつオタクな会話に飢えているくせに、周りのオタクをショボいと見下して「本当の友達がいない」などという人に、果たして彼のいうところの「本当の友達」とやらが生まれ得るだろうか?正しく翻訳すると「俺のオタク話にウンウン頷いてくれるイエスマン募集。けれども、俺のオタク劣等コンプレックスを刺激されるのはいやなのでオタクっぽくなく振舞ってくださいね!」という矛盾を孕んだ要求水準に応えてくれるお人よしなんて、どこにもいるわけがない*1。奇跡のようなめぐり合わせで万が一にもそういう奴が見つかったとしても、今度は「本当は女の子にオタクな話を聞いてもらいたかったんだ」とか不満がるのがオチなんじゃないか。

 この手の“自称非モテ”による「○○が欲しい」は、要求水準が無茶だったりエスカレートしやすくかったりして、ドラえもんでもいない限りは満ち足りた境地に到達しそうにない。 長年待望していた彼女ができると今度は「俺は青春がしたかったんだ」と言い始め、オタク趣味を共有できる仲間がほしいのにオタクはキモいから嫌だとも言う。だったら一体どうすれば幸福になれるのか?これから実行可能な選択肢や可能性のなかで、こういう人達がハッピーに近づける道筋ってあるんだろうか?満足に近づける道ってあるんだろうか?

 この手の“自称非モテ”をみていると思わずにはいられない。

 「一つの達成や一つの人間関係を積み重ねただけでは、この人達は不幸なままなんじゃないだろうか」と。

 たいていの人であれば、「友達が出来た」とか、「彼女が出来た」とか、「ねんがんの○○を手に入れた」だとか、そういう出来事があれば達成感を味わうことが出来よう。束の間とはいえ、脳内麻薬がジワーッと染み出すかもしれないし、「また頑張ろう」という次に繋げるモチベーションが得られるかもしれない。

 けれども、この手のこじれすぎた人達においては、友人が出来ようが恋人が出来ようが、達成感を口にすることって出来ないんじゃないだろうか。「普通の人であれば、何かを成し遂げた後に感じられる気持ちの良さや脳内麻薬が、いくら達成してもまともにゲットできない」というのが、彼らの苦悩の根本にあるんじゃないだろうか。もしそうだとしたら、どれだけ成果や達成を積み重ねても、それだけでは不幸な感覚の埋め合わせになりそうにない。成果や達成をいくら積み重ねたとしても、達成感や満足感がまともに転がり込んで来ないんだとしたら、主観レベルで渇望が充たされる見込みが無い。


“非モテ餓鬼道”の魂の救済とは?



 私は、こういう人達をみかけると、六道の餓鬼道のことを連想する。
餓鬼は常に飢えと乾きに苦しみ、食物、また飲物でさえも手に取ると火に変わってしまうので、決して満たされることがないとされる。極端な飢餓状態の人間と同じように、痩せ細って腹部のみが丸く膨れ上がった姿で描かれることが多い。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A4%93%E9%AC%BC

 まさに、この餓鬼道にそっくりの境遇じゃないか。

 人並みに頑張って人並みに成果を出せたとしても満足や達成感に恵まれることの無い境遇というのは、あたかも餓鬼道のようであり、積み上げた成果や結果をおいしく頂くことが出来ない苦悩は、常人には計り知れない。そんなことでは、明日に繋がるモチベーションを維持することも非常に困難に違いない。

 この、魂の問題としか言いようのない主観的境地をどうやって抜け出すのか、今の自分には皆目見当がつかない。もちろんすべての“自称非モテ”がここまで恐ろしい境遇ではあるまいが、外面からは把握できない、途方もない主観的境遇を抱えて生きている人が実際に存在するのは、おそらく事実なんだろう。

 “非モテ餓鬼道”の魂の救済とは、どういったものなんだろうか。

 [関連:]はてな六道輪廻 - シロクマの屑籠(汎適所属)
 [参考:]六道 - Wikipedia

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*1:そして、この矛盾は、友達の側に問題が存するというより、彼自身のオタクコンプレックスを周囲のオタクに投影していることに由来していると推測される

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