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「赤文字系雑誌」衰退という世相: 誰も通らない裏道

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一つには単純に紙媒体離れに歯止めがかからないということがあるだろう。しかし、一方でそれだけでは説明し足りないとも思う。

わが家にも大学4年の娘がいる。彼女は入学したての頃はCancamを読んでおり、私が会社から持ちかえるJJにも一応、目を通していたようだ。しかし、しばらくしてパッタリ両誌とも読まなくなった。

親戚から「大学の入学祝いに何を欲しいか」と聞かれた時には、某ブランドのバッグなどと答えていたが、その後、ブランドに関心があるようにも見えない。

この間、世の中で何が起きたかと言えば、リーマンショックであり、そして東日本大震災と東京電力福島第一原発の破局事故である。

もともと、現在の大学生というのは、バブル崩壊後に生まれた、元号で言うならば平成世代で、1995年には阪神大震災、2001年にはアメリカの同時多発テロも経験している。

つまり高度成長ともバブルともまったく縁がなく、成長するとともに国内外のさまざまな苦難、事件、混乱に遭遇しているわけだ。しかも、その少なからぬ部分は、国内的に言えば昭和のツケである。

さらに、東京電力福島第一原発が撒き散らかしている放射能の影響は今後も止まるところを知らず、どんなに政府や東電がウソをつこうとも、彼らの人生において、本来なら楽しかるべき20代、充実すべき30代、40代、そして老後にいたっても深刻な影響を与えることは間違いない(もちろん、彼らに続く世代にとってもこれは同様である)。

そういう大変な時代を生きなければならない世代が、急速に昭和的な経済重視、あるいはカネ、モノ(ブランド)重視の価値観から離れているのではないだろうか。

だとしたら、そういう彼らに、昭和世代(なかでも高度成長やバブルの恩恵を受けた世代。以下同じ)はどう対すればいいのか。

少なくとも、それでも昭和的な価値観を押しつけるのは根本的に間違いだろう。なにしろ、今日の国難をもたらした最大の原因は昭和世代のエゴイズムにあるのだから。

京都大学の小出裕章助教は放射能で汚染された食材について、これからは40禁、50禁という表示をして、この食材は40歳以下は食べてはいけない、50歳以下は食べてはいけないというようにすべきだと一貫して主張している。これはつまり、汚染された食材は40歳以上、50歳以上が引き受けるべきだという考え方だが、昭和世代が今すべきことは、このようにわが身を削ってでも後世に残る莫大なツケとリスクを少しでも軽減することだと私は思うのである。

※注 このJJの特殊事情とは、部数低迷が続く中、東方神起を表紙にした号のみが爆発的に売れ、雑誌としては異例の増刷までかかったため、その数字が平均値を押し上げたことによる。

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