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アレフガルドの郷愁ただようロトゼタシアの旅

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ドラゴンクエスト11は、もしかしたら最後のドラゴンクエストになるかもしれない。友人がそういう不安を口にしたとき、さすがにはっとさせられた。1986年にリリースされたドラゴンクエストから実に31年の月日が流れ、堀井雄二も鳥山明も60代になり、すぎやまこういちに至っては80代も後半である。ドラゴンクエストのアイデンティティを作っているとすら言えるこの3人のうちどれか一人でも欠ければ、それはもうドラクエではないだろう。

少しネタバレになるが、ドラクエ11のサブタイトル「失われた時を求めて」という言葉は、実はクリア後のことを指している。クリア後から裏エンドまでの道筋はまさに「失われた時」を求めたシナリオだ。これがどういう意味かは実際にプレイして確かめていただきたい。

作品全体を通して、過去作、特に最初のロト三部作へのリスペクトが非常に高い。過去に活躍した勇者とその仲間たちは、ドラゴンクエスト3の勇者、戦士、賢者、魔法使いの出で立ちだ。物語が進んでフィールド曲にドラゴンクエスト3の音楽が流れた時はちょっと驚いた。30年前に我々が愛したあの物語たち。その愛に応えようという気持ちが伝わってきた。

ある意味では「失われた時」であるあの頃の旅の思い出。それがよみがえるようであった。

想像の翼を広げて旅したあのアレフガルド。恐ろしかった山、超えられなかった崖、渡るのに怯えた橋。ロトゼタシアの自然の美しさは、昨今のゲームが目指すような実写的な映像でもなく、かといって過度に漫画的でもない。でもきっとあの時に我々が旅した「ドラクエワールド」なんだと思う。

もちろんここまで「勇者ロト」の名前をチラ見せしておいて、なにもないわけがない。ロト三部作をやった人には「ああ、そういうことだったのか!」と思わされる展開がちゃんと用意されている。

だが、それがむしろ、「これで最後だ」という覚悟のようなものを感じてしまう。

ここまでドラクエの原点回帰をしたのだから、次はないなんて思いたくない。どうかもう1作、ルイーダの酒場とダーマ神殿のあるドラクエを出して欲しい。失われた時を求めるのは、もう少し先にさせてもらいたい。

そう、やっぱりドラクエが大好きなんだと、再確認させられたのである。

ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて

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