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悲しさを忘れるために何かに没頭することの是非

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   悲しいことがあった時、悲しさから逃れるため・心の空白を埋め合わせるために、何かに没頭する人は少なくない。
 
 悲しいことがあった時こそ休まず出勤する、それどころか、いつもより長く仕事をする人がいる。あるいは、いつもより長くランニングする人、いつもより長くweb小説を読む人。それらは、悲しさに押しつぶされずに日常生活を維持するための行動として、理解できるものではある。
 
 反面、悲しさを忘れるための没頭には、危なっかしい面もある。
 
 悲しさを忘れるための没頭は、悲しさが心の中や頭の中に蘇ってこないようにするのが目的なので、なるべく長時間続けようとしがちだ。多少の疲労があったとしても、悲しさが蘇ってくるより少し疲れていたほうが気持ちとしては楽なので、疲れたまま、いつもより多く仕事をしたり、いつもより多くランニングしたりすることになる。
 
 哀しさを忘れるための没頭は、ゆえに、疲労の蓄積に鈍感になってしまいやすい。
 
 悲しいことがあった後、心に必要なのは――いや、神経に必要なのは――気分転換以上に、たくさん寝ること、休養をとることだ。もちろん悲しいから眠れない・休めないというのはわかる話で、それが持続し、悪くなる一方なら医療の助けが必要な場合もあるかもしれない。なんにせよ、睡眠や休息を軽視して、悲しみから逃れるために疲労をおして働き続ける・遊び続けると、神経にとって大きな負担になる。やり過ぎれば、かえってメンタルヘルスの危険を招きかねない。
 
 それともう一つ。悲しさを忘れるために何かに没頭する行為は、とりあえず悲しさを意識から追放することはできるけれども、悲しさを葬送するには向いていない。悲しさは、忙しさによって当座の間は追い払えるが、忙しくなくなったら舞い戻ってきてしまう。悲しさが舞い戻ってきた時に心身が疲弊していると、悲しさはものすごく堪える。悲しさを忘れるために没頭して疲れ果てている時に、葬送されざる悲しさが不意に戻ってくると、にっちもさっちもいかなくなる。
 
 じゃあ、どうすれば良いのか。
 

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