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郷原信郎 国家戦略特区は利益相反の温床だ

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 これを受けて、獣医学部の認可をテーマに開かれた9月16日の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の冒頭で、内閣府地方創生推進事務局審議官である藤原豊氏が「先週金曜日に国家戦略特区の諮問会議が行われまして、まさに八田議員から民間議員ペーパーを御説明いただきましたが、その中で重点的に議論していく項目の1つとしてこの課題が挙がり、総理からもそういった提案課題について検討を深めようというお話もいただいております」と発言しています。つまり、藤原氏は、獣医学部新設に関する議論が9月9日の諮問会議での安倍首相の指示によるものだということを明言しているのです。

 そのため、安倍首相が昨年9月9日の時点で加計学園の特区申請を認識していたとすれば、安倍首相の指示によって加計学園に有利な展開になっていったことを事実上認めざるを得なくなるのです。

 常識的に考えれば、安倍首相は加計学園が構造改革特区で何度も獣医学部新設の申請をしていることを知っていたと言っているわけですから、国家戦略特区でも同様の申請が行われていたことを知らなかったとは考えられません。

 もし仮に1月20日に初めてその事実を知ったというのが本当だったとしても、どうやればそのことを国民に信じてもらえるか、よほど注意して答弁しなければならなかったはずです。しかし、安倍首相の発言を見る限り、周到な準備をしていたようには見えません。これでは国民の不信感が強くなるだけです。

―― 安倍首相は6月24日に行われた講演で、「今治市だけに限定する必要は全くない。地域に関係なく、2校でも3校でも、意欲ある所にはどんどん新設を認めていく」と発言したと報道されています。これも国民の不信感につながったと思います。

郷原 安倍首相は「獣医学部設置認可の問題に一切関わっていないし、具体的に関わる立場ではない」と述べてきましたが、この発言はそれを根底から覆すものです。これは、安倍首相がその気になれば、獣医学部の新設を認めることなど簡単なことであり、総理大臣として獣医学部認可の問題にいくらでも口を出せるということを認めたに等しいものです。「自爆行為」そのものと言わざるを得ません。……

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