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税が足らぬは工夫が足らぬ?

 税制改革の議論が消費税一辺倒で、格差是正や社会健全化の方向が少しも見えないのを不思議に思っています。古来、税金集めは政府の腕の見せどころでした。「おもしろい税」で検索していたら、じつにいろいろな珍税が出ていました。
 
 「犬税」「馬税」あたりは今の自動車税のようなものかもしれませんが、ロシアのピョートル大帝の「ひげ税」は有名です。中世ヨーロッパの「死亡税」は何ごとかと思ったら、土地の借地権を相続するための税金でした。日本でも明治時代には「菓子税」がありました。トランプカードや花札などにかかる「トランプ類税」は消費税導入の1989年まで続いていたので、私もよく覚えています。

 家屋にかけるものとしては広く知られる「窓税」とか、日本の江戸時代には「間口税」があったので、京都など古い町では奥に細長い家が多くなったと言われます。東京の豊島区には、狭いアパートの建築にかける「ワンルーム税」があって、地域のスラム化の防止に効果をあげているそうです。これは現役の条例です。

 では現在ならどんな新税が考えられるか、人によっていろいろでしょうが、さしあたり「茶髪税」「マニキュア税」「夏のへそ出しルック税」「携帯ゲーム税」などはどうでしょうか。私はインターネットが無料で使えることに対する違和感が、今でも消えません。何らかの「インターネット利用税」が導入できたら、莫大な公共の財源になることでしょう。

 それよりも現実的なのは「為替・証券取引税」の積極的な導入です。世界が合意しないと効果がないという問題がありますが、一国だけでも先行例を作れないものでしょうか。資本の流動つまり所有権の移転に課税できるかどうかは、資本主義を政治の制御下に置くことができるかどうかの、根源的な問題だと私は思っています。

 そのほかにも、所得税の累進性つまり所得再配分機能の回復など、手をつけるべき税制改革が話題にならないのは、どうしてでしょうか。増税の話をすると選挙に負けるからと言うのでは、あまりに無責任です。だいたい税金を「取られる」ものだと思っている国民も悪いのかもしれません。安全で平和な暮らしのために、みんなで分担する保険料だと思えばいいのです。

 喜んで保険料を払えるような、信頼できる会社(国)であってほしいのはもちろんですが、日本の国は、まだまだ支えるに足りると私は思っています。

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