待機児童の解消に向けて保育園の増設が進む中、吉祥寺南町(東京都武蔵野市)に来年4月に開園する予定だった保育所が、近隣住民の反対で開園延期になったという。8月末に読売新聞が報じた。
開園延期の報道は反響を呼び、はてなブックマークのコメント欄には、400件近い書き込みが寄せられた。「文句言ってる大人もみんな昔は子供だった」と保育園の開園に理解を求める声もあったが、「マジで隣近所にできてみなよ?絶対迷惑だと思うぜ?」と近隣住民に理解を示す人も少なくなかった。
「4月の開園に踏み切るには理解が不十分だと判断」
武蔵野市・子ども家庭部の担当者は、キャリコネニュースの取材に対して、「近隣住民から強い反対が出て、開園に支障を来しているというのは誤解だ」と説明した。
「反対している人もいますが、賛成してくれている人ももちろんいますし、『仕方がない』と理解してくれている人もいます。ただ来年4月の開園に踏み切るには、理解が不十分だと判断しました。保育園の利用希望者に周知するため、開園延期を決めましたが、あくまで延期をしただけで、計画を白紙に戻したわけではありません。来年度中には開園する予定です」
また「武蔵野市全体では待機児童対策が着実に進んでいる」とも語る。来年4月には吉祥寺本町や武蔵境駅周辺に計5つの保育園(定員336人)ができる予定だ。同市の待機児童は現在120人。年齢によって保育園の定員にバラつきがあるほか、地域差もあるため、全員が入園できるわけではないものの、待機児童の大幅な減少が期待できる。