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【映画感想】関ヶ原

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 この監督さんは、「笑い」のセンスがないというか、これ笑うとこなの?とか、考えてしまう場面がけっこう多いんですよ。

 「パシリ」のように描かれている井伊直政とか、『おんな城主 直虎』を観ている僕には悲しくなります。たしかに、直政というのは、家康にとって「至高のパシリ」みたいな存在だったのかもしれませんが。

 この映画をみると、石田三成が負けた理由はよくわかるんですよ。

 監督さんは「石田三成は自分に似ている」と仰っていましたし、「三成を描くこと」に気合を入れていたんだろうなあ。

 石田三成は、ものすごく有能で、「義と仁の人」なのだけれど、「自分自身の小さなこだわりやプライド」のために、周囲と軋轢を起こしたり、智に溺れるというか、「ギャフンと言わせてやった」相手から、さらに恨まれたりしています。

 「天下のために、なんとか生き延びて、再起の可能性に賭けた」はずなのに、かくまってくれた人が罰せられるのが本意ではないということで、名乗り出てしまう。

 本当に「天下のため」が最優先であるならば、加藤清正や福島正則に頭を下げたり、歓心を買ってでも味方にするための手練手管を尽くすべきだったし、夜襲や家康到着前に東軍を各個撃破することだって検討の余地があったはず。

 恥をさらしてでも生き延びるつもりで戦場を離脱したのなら、世話になった人を見捨ててでも、逃げるべきだったのではなかろうか。

 家康は「妥協すべきところ」と、「どんなに犠牲を払っても、譲れないところ」の見極めができる人だった。あるいは、長年の経験で、そういう人になっていた。

 三成は、最後まで、「小さなプライド」を満たすのを重視して、「必要な恥をかく」「大義のために小義を捨てる」ことができなかった。

 ただ、三成の、そういう「ものすごく賢い人なのに、プライドに負けて、やるべきことの優先順位をコントロールできなかった」ところは、「人間的」でもあるんですよね。

 僕もそういう不器用さみたいなものや「器の小ささ」には身に覚えがあるので、今でも三成を応援してしまうんですよ、やっぱり。

 客観的にみれば、石田三成が勝っていても、あの時代、家康以外の人には「天下をすんなり治める」ことは難しかったのではないか、とも思いますが。

 百戦錬磨で「優先順位がわかっている」徳川家康相手に、これだけの大戦をやってのけた三成はすごかったとは思うし、その一方で、三成がさっさと退場してしまったほうが、豊臣家にとってはプラスになったのではないか、という気もするんですよ。

 もちろん、そんな問いに答えなど無いのだけれど。

 合戦シーンは、大河ドラマ『真田丸』の「一瞬関ヶ原」のあとにみると、けっこう迫力がありました。

 「戦場」は描けていても、「戦術」を描こうとしていないので、せっかくのスケールを活かせていないところはあるにせよ。

 あと、場面転換の際に地名や出来事を説明する名詞のあとに「。」をいちいちつけているのは、なぜなんだ……

 名詞のあとに「。」がハマるのは『モーニング娘。』だけで十分です。重厚な歴史ドラマの場面転換のたびに、これを見せられるとかなり気が滅入るというか、誰が決めたんだこれ。その「。」だけで、かなりこの映画が「軽薄に」なっているんだけど。

関ヶ原(上中下) 合本版

関ヶ原(上中下) 合本版

関ヶ原

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