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「高齢者ほど金持ち」という不都合な現実

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当然、生活は苦しくなる。同調査によると、世帯の生活意識について、92年には57%の人が「普通」と答えていたが、14年には「普通」は34%に減る一方、「生活はやや苦しい」「大変苦しい」と答えた世帯は62.4%だった(図3)。

負担感が強いのは子育て世代だ。同調査で「児童のいる世帯」は「やや苦しい」「大変苦しい」の合計で67.4%となり、全世帯より5ポイントも高かった。一方、「高齢者世帯」は58.8%で3ポイント以上も低かった。

図1の高齢者世帯の所得推移はこれを裏付ける。この20年で全世帯が2割近く所得を減らすなかで、高齢者世帯の所得は300万円台で推移している。この源泉は年金だ。図4をみると、高齢者世帯の56.7%が収入のすべてを年金に頼っていることがわかる。

図3にある通り、1992年当時、約6割の生活意識は「普通」だった。これがいわゆる「一億総中流」という日本独特の生活意識だ。ところが、2014年には「普通」と答える人は34.0%に減り、62.4%の人が「生活は苦しい」と回答している。ゆとりのある生活を送れている人は、わずか3.6%。日本人はどんどん貧しくなっているのだ。

いったいこの国はどうなるのか。次回からは「税金」や「介護」といったテーマをあつかう。結論を先取りすれば、日本はこれから「貧しい国」に転落していく。われわれはその現実を踏まえたうえで、将来に備えておく必要がある。

ちなみに「長生きしないから大丈夫」は通じない。国の簡易生命表によれば、男性の4割、女性の7割が85歳まで生きるのだ。この「長い老後」において、ゆとりを確保できるのは、現実を直視できた人だけだ。

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