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国賓からの「言の葉」

野田政権発足後、2ヶ月以上が経過致しました。この間の話題は増税とTPP問題に終始しているように思います。いずれも未だ国民の信を得た政策ではないものですが、総選挙という国民が与えた最大の信任に基づいた政策を敢えて後回しにした上で、また震災発生以後の復旧・復興が進んでいないという指摘を政権が一貫して受け続けている中で、このような『枠外の話』ばかりが先に立つという政権の矛盾に対して、政権の中にいる者ではありますが、忸怩たる思いで日々働いている所です。

そんな中でも明るいニュースも出てきています。10月、モルディブでの地上波テレビ日本方式が採択されたばかりですが、11月15日には遠く離れたアフリカ大陸のアンゴラ共和国においての日本方式正式採用に向けた大きな動きがありました。現在、彼の地では既に日本方式の試験放送を開始している所ですが、国際電気通信連合(ITU)からアフリカ・アンゴラにおける日本方式の「技術上の承諾」が得られたものです。放送方式ではありますが、アフリカに初めて「日本の旗」が立つという可能性が高まる中で、出来るだけ早期の最終的政治判断が二国間、そしてアンゴラを基点として出来るだけ多くのアフリカ諸国と共有出来るように進めねばならないと思っています。

また昨日、韓国・ソウルで行われたアジア・太平洋電気通信共同体(APT)第12回総会において行われた事務局長選挙において、お陰様で日本人の現職事務局長が22対8という大差で勝利する事が出来ました。アジア・太平洋地域の情報通信政策の中核となる組織のトップを決める選挙ですから、言葉が過ぎるかもしれませんが国会議員何十人分くらいの国益を担っているかもしれない選挙だという事だけ御理解頂ければと思います。1年近い選挙戦は事実上の「日韓戦」となり、必然、国益を超えた総力戦となる中で、大震災の影響で日本政府側の動きが大きく制約され、更に投票も完全アウェーのソウルで行われるとあって、直前まで大変厳しいと思われた戦いでしたが、最後の最後に大差での勝利になったという事について、率直に感謝しなければならないと思います。本人及び関係者の努力と最後まで日本を信じてくれたアジア・太洋州支援国各国の御厚情に心より感謝したいと思います。

話を本題にと思いますが、この数日の報道等でも知られているように、只今ブータンのジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王が国賓として来日されています。昨日は国会で演説を頂いた所で、その内容においても国民各層が感動する中身であり、自分も直接お言葉を聞かせて頂いた中で全ての内容について素直に感激致しました。そして今日ここで皆様に特にお伝えしたいと思うのは、案外報道に出てこないお言葉です。

以下、演説内容原文より
「2011年は両国の国交樹立25周年にあたる特別な年であります。しかしブータン国民は常に、公式な関係を超えた特別な愛着を日本に対し抱いてまいりました。私は若き父とその世代の者が何十年も前から、日本がアジアを近代化に導くのを誇らしく見ていたのを知っています。すなわち日本は当時開発途上地域であったアジアに自信と進むべき道の自覚をもたらし、以降日本のあとについて世界経済の最先端に躍り出た数々の国々に希望を与えてきました。日本は過去にも、そして現代もリーダーであり続けます。」
~正に感激の演説と自分が思う所であります。そして、これは日本と同じく国家の独立を守り抜いてきているブータン国王だからこその内容ではないでしょうか。逆にこの一節を報道しない我が国のメディアには、そろそろ自虐的歴史観からの自立を促したいと思います。いずれにしても議事堂を埋め尽くした国民の代表である国会議員全員が間違いなく伺った演説ですから、国会議員は、この事を確実に国民各層に伝える責任があると同時に政治姿勢も更に正してゆかねばと思う次第です。

他方、昨日のソウルでのATP選挙の結果にも大きな意味があると思います。9月の島嶼国通信大臣会合においても、あるいは10月に訪れたモルディブの地においても自分は様々な政府高官から激励されました。要するに「日本が、日本こそシャキッとしなければならない。日本がシャキッとするのを我々(アジア)は待っている」という事です。

長い歴史と品格ある伝統文化に基づいた日本が、自虐史観と占領政策が蔓延する委任統治領同然の国家としてではなく、世界経済が混迷する今こそ、誇りと自覚を持った独立国家たれ、その上で品格と技術力を以ってアジアを牽引せよというアジア・太洋州国家からの激励であり、その激励こそが、昨日のソウルでの予想を覆す大差圧勝の意味であると自分は感じています。本当に今、民族の自覚が問われていると思います。

少し話しは前後しますが、去る10月26日にドイツ連邦共和国のヴルフ大統領が伊勢神宮を参拝されました。国家元首としては昭和50年の英国・エリザベス二世女王陛下以来という事ですが、その際のご記帳内容も際立っています。
「人生において本当に大切なものとは何か。伊勢神宮というこの特別な地においては、それをはっきりと感じ取ることが出来ます。貴国日本が、これからも自然との深い繋がりを守っていかれますことを心から念じています」
~物事の本質に迫る言の葉を実に簡潔に、実に美しく表現されているものと思います。一方で、このような大統領のご発言内容も殆ど報道では紹介されていない事も残念です。

世論調査ではTPP問題をどう思うか?、増税をどうするか?、こういう事ばかりで、今、民族および国家が期待されている事は何か?・・・、未曾有の大震災を経験した今こそ、我々が本質的な事案について熟考しなければならない場面にありながら、少し遠い所にある話ばかりが突出し、その度毎に国民の視野が分散されてしまう事が残念です。同時に皇室に対しての尊崇の念のカケラも無いような閣僚や政治家が存在している事も現実であり、そのような事が連日報道され、その度毎に怒りと自分の無力さを実感している所でもあります。

しかし、様々な国賓や政府高官からの言の葉が、単なるリップサービスだけとは思いません。昨日の選挙結果だけではなく、実際に自分が担当している放送や電気通信政策の中だけでも顕著な政策面での進展が出てきている事が何よりの証左だと感じます。繰り返しになりますがアジアが、太洋州が、アフリカが日本を鼓舞している。来日される国賓が品格ある言葉を以って激励に変えておられる。この現実を政治家がまず自覚し、それを国民に伝え、国家が前に進む大きな力に変えなければならないという事を申し上げ、今回の近況報告とさせて頂きます。

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