- 2017年08月25日 11:57
「休めない」 夏休みの部活動
1/2■夏休み中も練習
甲子園(全国高等学校野球選手権大会)、インターハイ(全国高等学校総合体育大会)、総文祭(全国高等学校総合文化祭)など、この夏を盛り上げた「部活動」の全国大会も、今日、全中(全国中学校体育大会)の最終日をもって幕を閉じる。
テレビや新聞を見ていると、「全国大会」一色だけれども、現実には各地域や各競技種目・文化活動において、全国大会とは別の大会やコンクールが開催されている。そしてそれらの大会に出場するために、生徒は今日も当たり前のように練習を重ねている。お盆を除いて「ほぼ毎日」活動している運動部の生徒が4割に達するとの調査結果もある。
全国大会につながる大会で早くに負けたとしても、生徒は次の大会に向けて日々練習に励む。華々しい「全国大会」に隠れがちな、夏休みの「いつもの部活動」に迫ってみたい。
■活動予定表は練習で埋められている

さて、図に示したのは、公立高校の夏休み中における部活動の活動予定表(例)である。とある自治体にある複数の公立高校の予定表を参照して、筆者が再構成した[注1]。見てのとおり、毎日のように練習が入っている。
部活動によっては、8月11日~13日のお盆休み期間中も、当たり前のように練習が入っていたり、練習試合が組まれていたりする。該当する部活動では、生徒も先生もお盆休みがないということなのだろうか。
また、表中の野球部がそうであるように、夏休みの間、休みが計3日間しかない部活動もあった。ただでさえ蒸し暑く体力が消耗する時期に、「学校教育」の名のもとで生徒は休みなく部活動に励んでいる。
■「ほぼ毎日」が4割強 運動部活動

夏休みに特化して部活動の活動日数をたずねている調査は、ほとんど存在しない。かろうじてベネッセのオンラインによる保護者対象の全国調査が、その実像の一端を教えてくれる。
2013年9月にベネッセが実施した調査[注2]によると、中高生における夏休みの部活動の頻度は、運動部で「ほぼ毎日(お盆を除く)」が44.3%を占めている。これが割合としてもっとも高く、次に「週に3~5日(お盆を除く)」が38.4%である。
「ほぼ毎日」と「週に3~5日」の両者で計82.7%に達することから、運動部に所属する大多数の中高生は、夏休み中も頻繁に部活動に参加しているということができる。
- 学校リスク研究所 内田良
- 名古屋大学准教授,教育社会学。