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お酒を飲むと記憶力が良くなる?意外なニュースの真相は

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お酒と記憶、不思議な関係

 実はこの「お酒を飲むと、飲む直前の記憶が定着しやすくなる」という現象は、これまでに複数の研究(※3)で確かめられているのだそうです。

 脳では一体どんなことが起きているのか?考えられている有力なメカニズムは、次のようなものです。

筆者作成(画像素材:いらすとや)
筆者作成(画像素材:いらすとや)

 上の図は、脳の中で記憶が定着する仕組みの有力なモデルをざっくり表したものです。

 目や耳から入ってきた情報は、いちど「短期貯蔵庫」にプールされ(短期記憶)、そのうちの一部が定着し「長期貯蔵庫」に保管されます(長期記憶)。

 短期貯蔵庫には次々と新しい情報が届くので、定着しなかった情報は押し出されて(忘れられて)いきます。

筆者作成(画像素材:いらすとや)
筆者作成(画像素材:いらすとや)

 お酒を飲むと、アルコールの影響で、新しい情報が脳に届きにくくなります。すると、飲む前に短期貯蔵庫にプールされた情報が押し出されにくくなります。その結果として、長期貯蔵庫に保管される情報が増えるのでは?というのです。

「イヤなことを酒で忘れる」のは逆効果

 一方で、今回の研究を発表したセリア・モーガン博士(エクセター大学)らは、論文のなかで「アルコールを飲みすぎることは、長期的には(記憶を含めた)認知機能を低下させることがわかっており、一時的でわずかな記憶の改善を重視しすぎるべきではない」と警鐘を鳴らしています。

 今回の研究結果では、アルコールにより記憶が改善する傾向はみられましたが、その差はわずかでした。それを見て「アルコールは飲んだほうが良いんだ!」と考えるのは間違っているようです。

 今回の結果から学ぶべきは『イヤなことをお酒で忘れようとするのは逆効果』ということかもしれません。失恋やひどく落ち込んだときなど、ついついお酒に頼ってしまいたくなりますよね。でも、そのときは忘れられたように感じても、翌朝は辛い記憶がより定着してしまっている可能性があるということです。

 どうせお酒を飲むなら、楽しいことがあった後のほうが良いのかもしれません。

========

※1 Improved memory for information learnt before alcohol use in social drinkers tested in a naturalistic setting

Sci Rep. 2017 Jul 24;7(1):6213. 論文へのリンクはこちら

※2 有意差(統計的に、意味があるといえるほどの差)はありませんでした

※3 Mann, R. E. et al, Pharmacol.Biochem. Behav. 20, 639-642, (1984).

Lamberty, G. J. etal, Physiol. Behav. 48, 653-658,(1990).

Bruce, K. R. & Pihl, R. O. et al. Exp. Clin.Psychopharm. 5, 242-250(1997). など

※Yahoo!ニュース個人から転載

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