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都議選総括、人々が保守政党を欲していることは明らか

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【政治評論家・屋山太郎氏】

 長年、自民党政治を観察しつづけてきた政治評論家の屋山太郎氏。安倍政権を支持する姿勢を明確に打ち出してきた同氏だが、さすがに今の状況を見て、「自民党と切磋琢磨するもう一つの保守政党が必要だ」と指摘する。

 * * *
 今の日本の政治は「安倍一強」で、歴史的にも永く自民党が強いと言われてきた。確かにそれは事実であったが、実態は自民党に対抗できる野党がいないため、結果的にずっと自民党が与党を務めてしまったという側面もある。結果的にこれが自民党、自民党政治の腐敗を助長することになった。

 自民党政治は過去、何度か存亡の危機を迎えてきた。それを打開しようとしたのは1994年の選挙制度改革だった。

 1996年の衆院選では、それまでの中選挙区制から現在に至る小選挙区制に切り替わった。当時、国会で「政治改革に関する調査特別委員会」を設けて議論し、それに私も加わっていた。
 
 小選挙区制導入は、自民党政治が長引いたことによる政治腐敗を何とかしようという意図が前提にあった。田中角栄総理以降、自民党の金権政治が目に余ると国民から声が上がり、自民党に対する信頼感がどんどん落ちてきていたことへの対応策でもあった。

 そこで、なぜ自民党が国民の信頼を得られなくなったのかを考えた時、「選挙制度に問題があるのではないか」という問題点に逢着した。

 中選挙区制では、自民党の与党体制は揺るがない。しかし、永年の一党体制では徐々に腐敗を生む。だから「政権交代がある選挙制度に改めねばならない」という結論になった。そのために「政権交代可能な保守2大政党」の時代を目指したのだ。小選挙区制への移行は、この「保守2大政党」の存在が大前提でもあったのだ。自民党にとっては盤石の立場を脅かすものだが、自民党内からも「政治不信をなくすために“腐敗臭”をなくそう」と多くが賛同し、導入された。
 
 それから十数年後、確かに小選挙区制のもとで一度は民主党政権が誕生し政権交代は行われた。だが、すぐに国民の信頼を失い、自民党政権に戻った。当時の民主党政権を支持する国民は少ないだろう。7月の東京都議選で大敗を喫し、共産党に支えられる立場になってしまった民進党が今後、政権を取る可能性は限りなく低い。

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