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- 2017年08月19日 08:33
地方議員は兼業が前提で市議の58%が兼業。豊田秘書問題もチェックすべきは別のところ
1/2青森の町議の兼職が話題になっているが、地方議員は「兼職が前提」
暴言等で話題になった豊田真由子衆議院議員の政策秘書に青森県板柳町議が就任し、兼職している事が、多くのメディアで取り上げられている。ワイドショーにまで取り上げられ、国民的にも関心が高いようだが、どうもその報道の論点に違和感を感じる。
さらに問題を感じるのは、この兼職を問題視して辞職勧告するという板柳町議会だ。
「町議会ってこんなレベルなんだろうな…」とあらためて感じさせられもしたが、政治に携わるある面では専門家たちの対応としては呆れて物も言えないレベルの様に感じる。
まぁ、わいせつ事件で市議が逮捕されたり、政務活動費で大量の切手を購入、換金するという詐欺まがいの事を行ったという疑惑を持たれている議員が何人もいて、その全員が辞職しないという市川市議会の議員を選んだ市民が「何を偉そうに!」と言われたら、「その通りだ」というしかない状況ではあるが…
市川市議会については以前書いた『中1女子へのわいせつで市川市議逮捕、政務活動費での切手大量購入換金疑惑など不祥事が続く市川市議会…』(https://news.yahoo.co.jp/byline/takahashiryohei/20170714-00073277/)を見てもらえればと思う。
まず、いいか悪いかは別として、地方議員は兼職が前提になっている事がある。
一般の方からすれば「兼職が問題」というのと、兼職では「実際に仕事に支障がある」というのは同じ様に感じるかもしれないが、今回の問題も兼職で「町議会の仕事」、「政策秘書としての仕事」双方において仕事に支障が出た場合には、それぞれが問題になる事があり得るが、「兼職」という事だけで問題になる事はない。
ちなみに、今回のケースで「町議会の仕事に支障がある」とされるケースだが、地方議会の場合は、多くの自治体では年4回の議会が開催される、その4回も期間は2週間程度であり、本会議や委員会で実際に出席が義務付けられている日数はさらに少ない。
この最低限の日数だけでも秘書が出席した場合、実際には問責決議などを行うと、逆に訴えられた場合難しくなるケースも想定できるのではないかと思われる。
全国の市議会議員では57.7%の11,127人が兼業
図表: 市議会議員の兼業状況
出展: 市議会議員の属性に関する調(平成28年8月集計)から高橋亮平作成
2016年に集計された全国813市の市議会議員19,284人の実態を見ると、専業で市議会議員をやっている人は8,157人と42.3%にしか満たない。
兼業として最も多かったのが農業林業が2,508人、次いで卸売小売業が1,174人、建設業が815人となっている。
これがいいか悪いかは別問題として、実態についても共有する必要がある。
今回の件で「兼業するならやめろ」というロジックで問題にすると、全国の半数以上の11,127人の市議会議員は辞めるべきという事になってしまうわけだ。
板柳町議会議員のうち何人が兼業なのか知らないが、「兼業」という事自体を問題だとすると、自分たちの兼業だけ認めて、この兼業は問題だとするのは極めて難しい。
どういう結果になるのか見守りたいと思うが、町議会議員とはいえ政治家である。
法の趣旨と論理に基づいて対応してもらいたいと思う。
こうした対応の一つ一つが「やっぱり地方議員のレベルって…」と全国に波及する責任も感じながら対応してもらいたいものだと思う。
今回、あらためて地方議員の兼業が話題になったわけだが、もちろんそういう法律なのだからそれでいいと言っているわけではない。
議員の中には、議員の立場を利用して、兼業している職業の利益を増やしている様な政治家もいる。
むしろこうした問題はしっかりと明るみに出して、チェックされていかなければならない。
また、先述の様に本会議や委員会に出席さえしていれば後は何もしていなくても何も言われないという風潮についても変えていかなければならない。



