- 2017年08月19日 08:11
営利目的の病院を作るために使われている韓国の「特区」は日本の国家戦略特区と瓜二つ
2/2民営化は、大体3つの段階を踏みます。
第一段階が国家機関産業。
第二段階がネットワーク産業。電気水道鉄道。
第三段階が教育医療。
大体の国においてこの三段階を踏んで民営化が進んだと見て差し支えありません。
おして、韓国で、最後に残っている三段階が教育・医療です。韓国の場合1997年のIMF支援から2002年にかけて1段階の民営化が進み、2段階部分の1部が民営化されました。三段階を経済自由貿易法・FTAによって進めようとしています。
これも、日本と似ている部分があります。
どこまでを民営化すべきかは、その国のしくみや状況により異なりますが、水道、教育、医療という、公的分野の砦と言ってよい部分の民営化(営利化=株式会社化)がいま行われているところだと言っていいと思います。
これまでも、水道や教育や医療分野において、株式会社が担ってきている部分は少なくありません。しかし、サービス提供における、質や量などの意思決定は議会制民主主義の中で行われ、あるいは、非営利セクターが行ってきています。その結果、水道料金、医療費負担、教育費負担は、それでも一定程度の負担の歯止めになってきたという背景があります。
ここが営利化されるとどうなるか。
いま、私たちは、誰もが生きていくうえで欠かせない分野の意思決定(ガバナンス)を誰にゆだねるのか、という岐路に立たされていると言ってよいのではないでしょうか。
すべての民営化(営利化)が、外国の強要・圧力によって行われるわけではなく国内の政治によっても進むことがあります。韓国でもIMFが強要しましたけれど、当時の韓国政府がそれに応じもしました。
それでは、全世界的に広がっている民営化・福祉削減・小さい政府という新自由主義による教育医療の産業化を防ぐことはできないのでしょうか。
韓国政府は、教育・医療の営利化は、大変敏感な問題なので全国的に対応するのではなく地域的に扱う。それが韓国として経済自由区域として現れ、医療の分野で民営化が進められました。
なぜ特区という手法を使ったのか、という点で、ウソッキュン医師は地域の問題として取り上げることで、目立たないようにという指摘だと思います。
私も、各法律を国会で法改正すれば目立つから、特区でお試して行える意思決定の問題を指摘してきました。議会や官僚と言った政治に対する不信は根強いものがありますが、特区でそこの意思決定を逃れようとしたという現実から、私たちは、意思決定を議会や官僚機構に与えることの意義についてあらためて考える必要があると思います。
確かに、議会や官僚機構が十分に機能していない、改善すべき部分は多くありますが、その努力をせず、特区で決めれば、さらに悪くなるということです。
国家戦略特区を提案した竹中平蔵氏がミニ独立政府と名付けていることから、特区で何をしようとしているか考えるとこれほど恐ろしいことはありません。
教育において外国人学校の設置に大きな抵抗はなかった。言葉は外国学校といっても実際は、内国人が通う学費の高い学校が全国の経済自由地域に創られたが、医療は抵抗運動が大変強かった。悔しいけれど2年前に一箇所だけ北京の国営企業が済州島に営利病院を設置することを許した。ところが、THAAD(サード:高高度ミサイル迎撃システム)のレーダーを韓国に設置することに対し中国が猛反発し投資せず、実際は1つもない状態。
ほかにも、多くの営利病院設置の動きがありましたが、市民社会団体・労働組合・地域住民団体が強い連帯機構を作り、韓米FTA反対運動、アメリカBSE牛肉反対闘争と韓米FTAや医療民営化反対を結び付けたそうです。地域住民に対する学習も数多く行ったそうです。
韓国で株式会社立の病院設置の動きがあるたびに、市民と労働組合とが連帯して、学習会を行い、反対運動を行ってきたことで、今も営利病院は一つもない状況だそうです。
日本で、いま、株式会社立病院設置の動きがあったら、市民はどう反応するでしょうか。
韓国では、非営利分野の営利化が問題だということを10年かけて伝えていったそうです。
国家戦略特区で話題になっている加計学園、森友学園は、まさに、医療教育の分野で起きている問題です。
民営化ではなく、営利化という言葉で、もういちど、教育・医療などの問題について、あらためて考える時期にきていると思いました。
- 大田区議会議員奈須りえ
- フェアな民主主義を大田区から



