- 2017年08月18日 15:06
YoutuberヒカルさんのVALU事件、いろんな方面に延焼中
2/2それもこれも、これらのVALUの仕組みは金融商品ではない、だから金融業界の関連規制の枠内ではないと頑張って金融庁と交渉した結果、そうですね金融商品ではありませんねと金融庁から適法のお墨付きをもらってしまったが故の悲劇であると言えましょう。
どうも国税庁はVALUを認知していなかったようですが、30分ぐらい電話で説明したら「それは贈与ですね。その事業体を詳しく教えてください」とか言われてしまって、藪蛇になってしまったかもしれませんが、そのようなことは問題とせずに頑張っていきたいと思います。
さて、ヒカルさん一派の話で言いますと、VALUの仕組みで問題となるのは「詐欺行為」であり「売り逃げ」です。今回、VALUの対応はそうするしかなかったので仕方がない部分がある一方(そのうち詳述します)、いわゆる買い煽りでヒカルさんのVAを買ってしまい、暴落後に損切りした人は、今回のヒカルさんの買い戻し措置では被害を回復できません。損害は損切りした時点で確定してしまっており、ヒカルさんがVALUのプラットフォーム上でVAを買い直して価格が回復しても無意味だからです。
したがって、ヒカルさんが問題を解決するためには「VALUでVAを買い直す」ことではなく「VALUにヒカルさんのVAを買って損害を出した投資家を特定してもらい、出た被害額に応じて個別に払い戻す」ことが必要となります。繰り返しますが、VALUで売買しているVAは金融商品ではなく、相対取引にすぎませんから、VALUは例えば被害者の代理人が通知してくる取引先開示の23条照会を拒否できないでしょう。
そして、本来はVAを買って損害を出してしまった人に対する補償義務は、発行人であるヒカルさんだけでなく、プラットフォーム事業者であるVALUにもあります。何度も書きますが、これは金融商品ではありませんので、厳密なルールや規約が存在せず(あえてそうしているわけですが)、だからこそ、自己責任の投資原則が適用になりません。いわば、メルカリでパチモンのブランド品を買わされて被害が出たようなものです。
また、規約上よく読むとヒカルさんはあれだけのことをしでかしておきながら、例えばアカウント閉鎖して逃亡してもプラットフォーム事業者は規約違反を問えても損害賠償までは請求できるかどうか微妙な状況になっています。たぶん、日弁連が気にするのはその辺じゃないかと思いますが、規約を緩くして発行者を増やすことで、結果として発行者のデフォルト(逃亡)リスクをVA購入者に乗っけている形になってしまいます。
それゆえに、金融商品ではないが、資金移動業者じゃないのVALUは、という問いかけも今後は出てくるでしょう。BTC(ビットコイン)が財として認められている以上、それを仲介しているサービスは供託金でも積んでね、という話になるかもしれません。そうなると、すんごい時価総額でVA発行している発行人(田端信太郎さんなど)のデフォルトリスクに対応するために、プラットフォーム事業者は保険会社に請託するか供託金積むかといったメルカリ同様の問題を起こすんじゃないかと思ったりもします。
本来なら、そういう問題は細かなデフォルトが何件かあって、徐々に消費者保護の話が出るはずが、突然ヒカルさんみたいな特定方面で知名度の高い人がいきなりやらかしたものだから、受身を取れずに二階から落下みたいな感じになってて、このお盆の大変な時期に関係者の皆様もお疲れ様だなあと思うわけであります。
ヒカルさんにおかれましては、VALUで儲かった金額でしか補償をかけていないという時点で犯罪者同然のお作法に見えてしまいますし、ちゃんとお詫びをするのであればVALUでの買い直しではなく損失を出した被害者の個別救済をしないと事の次第によっては刑事事件一直線ですので、ご留意いただきたいと存じます。
現場からは以上です。



