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食の安全や健康情報の「うんちく話」

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松永和紀さんの新刊。ちなみに和紀は「かずのり」ではなく「わき」と読む。本書のプロフィールによれば、毎日新聞社の記者として10年間働いた後に退職し、科学ジャーナリストとして活動を開始した。最近では、BuzzFeedNewsに載った■<偽装豆腐>という間違いだらけの指摘にこそ注意!という記事で注目を集めた。

本書では食の安全や健康情報の分野のさまざまな話題が扱われている。水素水、ブルーベリー、ウコン、酵素ドリンク、グルテンフリー、トランス脂肪酸などなど。各項目は数ページで、冒頭に数行のサマリー、末尾に1~2行のチェックポイントがついている。たとえば水素水の項目のサマリーは

「抗酸化作用がある」「がんに効く」「糖尿病が改善する」など、水素水のさまざまな”効能”が話題です。でも、「効かない」「根拠がない」と批判する科学者も目立ちます。どちらを信用すべきでしょうか?

答えは今のところ、「効き目の根拠は、ほとんどなし」です。水素は体内の大腸でも大量発生しており一部は血液中を循環しています。それに比べ、水素水として口から飲める量はごくわずかです。

チェックポイントは

「効く成分」が入っていなくても、期待が効き目に結びつく「プラセボ効果」にご注意。

といった具合。一項目が長くないので好きなところ、興味のあるところだけスパっと読める。

書名の「危ない自然・天然」は、肉の生食、浅漬けや冷やしキュウリによる腸管出血性大腸菌の感染、ヒジキ中の無機ヒ素などのリスクを紹介していることによる。なんとなくイメージで「天然なら安全」と思い込んでいる人はこのブログの読者には多くないだろうが、さまざまな事例を学ぶことができ有用だろう。また、友人、家族に勧めるのにも本書は手ごろだと思う。

リスクだけではなく、だったらどうすればいいかという点も述べられている。たとえば「バランスの取れた食事」は死亡リスクを下げる。当たり前のことではあるが、だからこそあまり取り上げられない。根拠に乏しくても「健康になりたければ○○しなさい」「××を食べるだけでがん予防になる」といった刺激的なキャッチコピーのほうが広まりやすい。とくにインターネットではそうである。

最終章ではNHS(イギリスの国民保健サービス)の「健康ニュースの読み解き方」が紹介されている。また、各項目のチェックポイントは他の事例にも応用ができるだろう。ネットの情報は玉石混交である。そうした情報の見分け方を身に付けるのに本書は役立つだろう。

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